2009-10-11

娑 婆  NO 2557


  高校生が落とした財布の中に覚醒剤が入っていたというニュースがあったし、また大学生が麻薬で逮捕されたニュースもあった。彼らの両親には衝撃的な出来事 であり、同居の場合、ひょっとして警察の家宅捜査があったとしたら、どんな思いで立ち会っているのかと同情してしまう。

 子供の教育とは難しいもの。それぞれの人生で「出会う」人物が「出遭う」ということもあるだろうし、仕事や趣味の仲間として知り合う中にも様々な影響を受けることもあるだろう。

昔の教育は「他人様に迷惑を掛けるな」ということが基本、そんな言葉は現在の学校教育からは遠い世界の物語になってしまった感を覚える。

 毎日、多くの事件が発生している。裁判員制度も始まったが、選出される人達がますます増えて来るだろうと想像する。

「酔っ払って覚えてない」と言ったのは、京阪三条駅で駅員に暴力を振るって逮捕された公務員だが、覚えてないほど飲酒する愚かな行動が問われる筈。自分を失うほど恥ずかしいことはなく、人は「羞恥心」がどれほどあるかによって人格が異なるとも言える。

 心の乱れは服装や整髪にも顕著で、乱れが続くと誰も教えてくれない現実に進み、正しい姿勢になろうと自覚しても逆に恥ずかしくて出来ないケースが少なくない。

 遠い昔のことだが、ガキ大将がそのまま大人になったいう若者がいた。彼の親父さんから依頼をされ教育指導を対応することになったのだが、まずは言葉遣いからと命じたところ、それまでの彼を知る人達の前で全く出来ず、遠ざけてから教育を始めた体験があった。

 その後も何人もそんなタイプを見てきたが、自分の存在が小さなことを自覚さえすれば人は変れるもの。心に乱れある時は、事故のパーセンテージが高くなる。いつも自分は新米だと考える謙虚な姿勢でハンドルを握れば事故との遭遇は間違いなく減る。

 上述の人物だが、一ヶ月の間に横転と出会い頭の2回も交通事故を起こしてしまった。横着で成長が停止してしまった典型的なタイプだが、今はどうしているのだろうかと心配する。

 麻薬に交通事故から犯罪まで、塀の向こう側で後悔しても遅いのである。向こう側からこちらを仏教用語である「娑婆」と呼ぶが、人間社会で許されるのは反省の範囲内であることを知りたいものだ。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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