2008-06-18

疑問ばかりが  NO 2228


 20年ほど前に発生した4人の幼女殺人事件、その犯人の死刑が執行されたというニュースがあった。

 全ての裁判を傍聴されたという著名な作家、また300通もの手紙をやりとりしたという出版社の編集者達がインタビューに応じていたが、遺族や被害者となった子ども達の立場で発言する言葉が皆無であったことに疑問を感じてしまった。

  それぞれの子供達が被害者になっていなかったら結婚している頃だし、もう子供も誕生していたことも考えられ、ご両親達が可愛い孫の存在という命の伝達に何 よりの幸せ感を抱かれておられた筈、それらを全て奪ってしまった犯人の所業は許せるものではなく、あらためて子供達に手を合わせる思いである。

  家族から突然に遺族になった人達、それぞれの方々の心の中には言葉で表現出来ない悲嘆の日々が続いてこられただろうし、それらはこれからも消えることなく 試練となって被さってくるもの。その人達のことが忘れられ、犯人のことや廃止論というイデオロギーが複雑に絡み、過日の秋葉原事件などに対する抑制だとい う意見まで飛び出していたようだった。

 一方で、これらは北朝鮮の拉致問題にも似通っている部分もあり、加害者である愚かな将軍様の国家との外交だけでウヤムヤにしてしまったら、あまりにも被害者や家族の人達が気の毒ではないか。これは、愚かな国が国家ぐるみで犯した凶悪犯罪なのである。

 昨夜の深夜、デンマークのテレビ局が制作したドキュメンタリー番組を観て衝撃を受けた。地球環境にやさしいと謳っている大手スーパーマーケットの商品の製造がが、バイヤーを経てインドの貧困な人達の下請けに回され、その作業風景は信じられない世界となっていた。

塩素などの化学薬品の水槽に素足で入って繊維を漂白している現実、カラフルな色合いの染色のために垂れ流されている廃液、それらは作為的に地下水にまで流される実態もあり、多くの作業員達の身体を蝕んでいる悲劇が伝えられていたからだ。

  工程の中で戦時中の毒ガスのようなものが生まれ、それを吸い込まれた人達の身体に誰でも分かる異変が起きている事実にもびっくり、欧米諸国の企業の利益の ために社会の裏面で嘆き苦しんでいる弱者の存在があることが無視されていることは悲しいこと。間違いなく罰当たりは地球全体となるように思えてならない気 がした。

 地震に続いて発生した中国の洪水、そしてアメリカのイリノイ州でも大規模な水害が発生しているようだが。人間達が犯してはならない「地球環境という神様」への冒涜に対する警鐘として受け止め、自然に対する謙虚で真剣な取り組み方を進めて欲しいものである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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