2013-02-04

立春なのに  NO 3186


  日課で訪問している「幸せ列車」のHPに「南高梅」と「ご飯」の画像があった。それを目にするだけで口の中で自然に生じる兆候を感じるが、随分昔、まだカ ラーテレビが登場していない頃、アメリカの子供向けドラマの一場面が思い出される。それは、悪戯っ子達が吹奏楽で管楽器を吹く友達の前で、レモンを齧る姿 を見せること。演奏していた仲間がそれを見て音が出せなくなるというものだった。

 人間の味覚とは不思議なもの。風邪が流行しているようだが、高熱に魘されていても塩味を感じる「おかゆ」と「梅干し」は何とか食べられるもの。「幸せ列車」の管理人さんである「かめかむか」さんが風邪の症状で大変だったようだが、早くご快復されることを願い上げる。

 お米と言えば魚沼産「コシヒカリ」の人気が高いが、最近は北海道産のお米の評価が高まっており、昨秋に北海道を訪れた際にホテルや旅館で出された「ふっくりんこ」や「ゆめぴりか」という品種の人気が高いそうで、確かに味わいを感じる代物だった。

  日本人はお米に関してこだわりが強く、最近は様々な品種の味を確認する人が増えたようで、1キロ入りが売れているようだが、ダイエット対策から出来るだけ 米食を避けるようにしていても、やはり炊き立てのご飯とは味深いもの。最近に流行している高額な炊飯器に興味を抱いている。

 これまでに食べたお米で特筆することが3回ある。ひとつは新潟県に講演に行った際に頂戴したお米だが、荷物になるからと後日に送ってくださったものだが、沢山頂戴したのでプレゼントをした人達全員が賞賛したものだった。

二つ目は友人と出掛けた桔梗が丘ゴルフ場の昼食。キラキラ輝くお米が立っているとはこのことだろうというような体験をした30年前、プロの料理人である友人は今でも「あれ以上の米に巡り合ったことはないと言っている。

  三つ目は和歌山県にホテル、旅館の経営者や女将さん達の講演で講師を担当させていただいたとき、会場となっていたホテルの総支配人と夕食を共にした際のこ と。私の余計なひと言「日本人は炊き立てのご飯に勝るものはない」と言ってしまったことから、わざわざ釜を持ち込んできて炊いてくださったものだった。

 さて、大新聞のコラム「天声人語」で書かれた「心がほっこりする話」に「感覚がズレている」との指摘意見が多く問題になっていた。

  対象となった出来事は読者投稿欄である「声」に掲載されていたものだが、大雪の降る中で子の要望からピザを注文し、びしょ濡れになって配達をしてくれたス タッフの姿が余りにも気の毒で、お母さんが冷えた缶ビールをプレゼント、子供もお菓子を贈ったという出来事だが、強烈な冷え込みの中で冷えたビールを?そ れを飲んだら飲酒運転になるなどと指摘する書き込みもあった。

 これは投稿された方への批判ではなく、コラムを執筆された担当者がおかしいのではという問題と解釈されるが、暗いニュースが多い社会の一面で心あたたまる話題が少ないのは確かである。

 私のこれまでのご仏縁の中で、<これはすごい!>と感銘を受けた出来事を紹介申し上げる。同業者の葬祭専門式場で発生した想像もしなかったミスのことだが、この仕事に従事する者なら誰もが体験したくない事件であった。

  その日のご出棺の葬儀が終り、その夜に行われる通夜の準備が進んでご導師が入場される運びとなった。司会の担当者が開式の言葉を告げて「合掌」と発言した 瞬間に考えられないミスに気付いた。お昼の葬儀は「浄土真宗」でお通夜を行っているのは「真言宗」なのに、ご本尊が「南無大師遍照金剛」ではなく「南無阿 弥陀仏」のままになっていたからだ。

 これまでに何度も書いたが、マンネリの中で発生するミスほど恐ろしい問題となるが、これは、プロの葬儀社としては背筋がぞっとする大事件だった。

 頭が真っ白になって虚ろな状態でご読経を耳にし、逃げ出したくなる心情を何とか耐えてご導師の退出となったが、すぐに控室に参上して平身低頭謝罪したのは言うまでもない。
それに対してご導師は次のようにご対応されたそうだ。

「阿弥陀様にもお越しいただいて結構なことではないか。私は宗教者で引導を授けるが、砂漠で一輪の花さえなかっても引導を授けることが出来る。今回は確かにミスだろうが、私にとっては小さなこと。ご遺族が控室に下がられた後で換えておきなさい」

  如何だろうか、過去にベンチャーズの音響でハプニングが発生し、音響担当責任者が通訳を伴って控室に謝罪に参上したら、「君は謝る必要はない。あれは機材 が謝るべき出来事だ」と対応したリーダーの話を紹介したが、それと同じような懐の広いお人柄を感じさせる出来事で、私の大好きな話である。

 明日はご仏縁に結ばれる人物のお身内のお通夜に行くが、明後日の葬儀当日の天候が雪みたいで心配している。「立春の光纏いし仏かな」と詠まれた俳句を思い浮かべながら手を合わせよう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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