2012-09-24

こんなことも  NO 3055 


 前にも紹介したことがあるが、秀逸な川柳に「妻の字が毒と見えたら倦怠期」というのがあった。季節は秋、そんな中に届いたパンフレット「秋のハイキング」の文字を、「つい「秋のバイキング」と見間違ったのでまさに食欲の季節。減量しなければならないのに大変である。

「幸せ列車」のコラムに「かめかむか」さんが執筆されたシャープの創業者の記述があった。大変なご苦労をされた歴史の中で、家電の業界にあって大企業として成長していた事実は誰もが知ることである。

 30数年前、ふとしたことからシャープの本社の部長さんに会うことになり、現在の西田辺の近くにある本社に行った。アポを進めてくれたのは大先輩で、当時のシャープの専務と深い交流があったので頼み込んだという筋書きだった。

  目的は、電話機のこと。プッシュホンが主流の時代だったが、ある日、ご仏縁に結ばれるお寺に電話をし、出られた坊守さんから「住職を探してきます。本堂だ と思いますの少しお待ちください」と仰った途端に流れ出した保留音にびっくり。軽快なリズムの「草競馬」だったからだ。

 檀家さんがご不幸で枕経の依頼で電話をされ、こんな音楽を耳にされたら堪らないだろうというのが発端で、当時に傾倒していた仏教音楽を流すことが出来ないだろうかということだった。

 専務さんの紹介なので私のような者に時間をくださった部長さんだったが、さすがに大企業の社内。応接室も半端じゃない部屋に通されたので恐縮した。

  そんな発想をした電話機だが、話が進んでNTTが開発を担当することになり、やがて録音機能を内蔵したエンドレステープタイプの電話機が完成。第一号が弊 社の事務所に設置されたが、保留時の音楽を聞かれた方々から「どうなっているの?」と多くの問い合わせを頂戴し、中には現物を確認したいと来社された方も おられ、結構な話題となった出来事だった。

 ラジカセの出力端子からコードでその電話機に設定された入力ラインにつなぎ、ただ「録音」と いうボタンを押すだけで保留音が完成するシステムであり、映画音楽から演歌まで、何でも保留音に出来たのだから現在に携帯電話の待ち受け音の先駆者とも言 うべき開発でもあったのかも。

 その録音機能は便利で、通話の最中にボタンの押せば録音出来る優れもの。当時、我が大阪の業界に流行して いた悪戯電話が弊社にも掛かって来た際、録音してからその旨を伝えるとすぐに切ってしまい、その後同業者達への悪戯電話が一切なくなったので予想外の役割 を果たしてくれたのも懐かしい思い出である。

 その悪戯電話の内容だが、「不幸があってお葬式をお願いしたいのですが」というもので、実在する住所、氏名、電話番号を言うのだが、どうやらその方への「嫌がらせ」みたいで、日に5社ぐらいの葬儀社がやって来て迷惑を被っているとの業界内ニュースが流れていた。

  当時では想像も出来なかったほど現在の電話の進化は凄いもの。スマホなんて夢見たいな話である。しかし、カメラ機能が付帯したところからエスカレーターの 破廉恥な犯罪も増えた。私の携帯は、冤罪に巻き込まれたくないのでカメラ機能は付いていない。何でもありの世の中だが、そんなことも考えておかなければな らないようだ。

今日の写真は「無宗教」形式の「偲ぶ会」研修会で設営された祭壇。会場はホテルで、遺影は私自身のものが使われている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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