2013-01-23

当たり前のこと  NO 3174


 地震、津波、水害のことを想定する際、海抜に関する情報を得ておくことも大切である。大地震による津波は運河などの水路を遡ってくることもあり、予想もしなかった水害という被害に及ぶことも考えられるからだ。

 ご多数のお客様をお迎えしている葬儀式場も、そんな万一の場合のことまで考慮し、少なくとも式場が在する地点の海抜ぐらいは知っておきたいものである。

  JR大阪環状線「寺田町駅」から東へ約600メートルの地点にある弊社の「西館」の海抜は6メートルで、意外と低く、そこから東へ約1キロの「本館」は海 抜5メートルと1メートルも低くなっているが、「西館」のある疎開道路から生野本通商店街を東に向かうと、ずっと下り気味になっている感があるので間違い ないだろう。

 商店街の左右や今里筋まで到達するまでには林寺、生野東、生野南、舎利寺、田島という地域があるが、その何れもが5~6 メートルの海抜だと知ることになり、大規模な地震が発生すると予想される太平洋側を震源とする南海地震による大阪湾に押し寄せるであろう大津波のことを想 定しておきたいものである。

 さて、温泉巡りを趣味とする友人の話だが、シニア向けのサービスを企画している旅館が増えているそうで、食事のボリュームを少なくした分で宿泊料金を安くする企画と教えてくれたが、中には年金受給者を対象とする企画も出て来ているとのことだった。

 あるホテルのキャッチコピーに<なるほど!>と思わされた表記があった。イタリア料理をメインとする夕食レストランだが「伊の技法・和の感性・仏の芸術性が交錯する」とあり、その言葉だけで料理が美味しいような気がした。

 利用したことのあるホテルや旅館が閉館してしまうことは寂しいこと。もう一度行ってみようと調べたら、HPが閉鎖されていたことが数軒あった。

 熱海の老舗旅館や加賀の百万石もそうだが、山陰の湯村温泉の老舗旅館が湯快リゾートに買収されていたことも知った。

 名前は伏せるが、近畿内で名の知られた旅館も閉館していた。この旅館の一時的なオーナーは著名なプロゴルファーだったが、初めて宿泊した際の出来事を鮮明に憶えている。

  車で玄関に到着したら「私の方で駐車場へ回しますから」と言われて館内に入り、ロビーで出されたお茶を飲んでいたら、「サイドブレーキの解除方法は?」と 玄関で対応してくれたスタッフがやって来た。ちょっと変わった車でブレーキを踏んだままでチェンジレバを「D」に入れると同時にサイドブレーキが解除され るシステムだが、しばらくするとまたやって来て「ちょっと私には無理です。お客様ご自身で」と言われて対応したが、それだったら初めにそう言うべきでは? という思いがしたのは言うまでもない。

 お茶を飲んでいる時にも気分の悪い問題があった。我々のバッグを仲居さんが先に部屋へと運んで行ったからだが、手荷物は客と一緒に移動させるべきで、指摘はしなかったがこんな勘違いをしている旅館が案外と多いのが不思議である。

  旅行会社が主催するセミナーの講師を担当したことがあるが、受講者はホテルや旅館のトップや女将さんばかり。前述のことも伝えたが、意外と驚かれたのは旅 館での寝具担当スタッフの行動で夕食に行っている間に布団が敷かれていたり、朝食に行って戻ったら布団が片付けられているとは不思議な話。ホテルでは考え られない出来事が旅館では抵抗もなく行われている事実だった。

 旅館の中には、ルーム・キーをお渡ししてからご了解なしに一切お部屋に入 りませんと宣言しているところもあるが、そんな当たり前のことを明記している背景には宿泊客の声があると想像する。この旅館、別室に寝室があり、寝具の準 備や片付けを行う必要がないようになっている。

 散歩の途中、知人と会った。「昨日、本館で行われていたお通夜に行ったけど、お寺さんは何処の方?」と質問があった。会社で確認してから夕方にお知らせしておいたが、「若いけどしっかりと感じるご読経だった」というご感想だったので安堵した。

  若いお寺さんには時折に説教してしまうこともあるが、このお寺さんにはお通夜が始まる前の行動や説教の内容について提案をしたことが何度かあった。そんな ところから、今回のようなお声を頂戴すると私まで嬉しくなるが、宗教者とは「人を幸せにする立場」で、お通夜や葬儀では「不幸の中で少しでも不幸でないひ とときを与える」立場だと考えたい。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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