2007-02-07

人生の記録?  NO 1771


 今日の銭湯は「ポンカン」風呂。湯船にいっぱい浮かんでいるポンカンそれぞれに「つぶさないでね」とマジックインクで書かれている。湯がグリーン色になり、柑橘の独特の香りの中で温もってきた。

そこで体重測定、これまでの人生で新記録となる目盛りに衝撃が。これは<ヤバイ!>と思い、スチームサウナの我慢タイムで400グラムを減らせた。

 一方で、午後、式場に行くとご遺族の女性の方から昨春の風貌のことが。「去年ね、すれ違った時、痩せた姿にびっくりしたわ。<もうダメかも!>と思ったわよ」とのこと。しかし、今の私の姿を前に「嘘みたいに太ったわね!」と。

 何と言っても禁煙による影響が大きいのだろうが、この年齢になって新記録を達成するとは想像もしなかったこと。銭湯にあった体脂肪測定器で計測したら「軽肥満」になっていたので反省した。

 さて、過去に伊丹十三さん監督の映画「お葬式」について書いたことがあった。今日、この映画に関してご仏縁があった「生恵幸子」さんのご逝去を知った。

 その映画が封切られてから一週間ぐらい経った頃、浄土真宗本願寺派の大阪別院「北御堂」さんからお電話を頂戴し、「あの映画を観ておいてください。後日に開催する企画に参加を」というお誘いを頂戴した。

 数日後、難波の髙島屋の近くにあった映画館で観ることになり、そして、指定された日時に御堂筋に在する北御堂さんに参上。ご案内くださったお部屋は和室。中央に机が置かれ、その周りにふかふかの座布団がセッティングされ、お茶をいただきながら少しの時間が流れた。

「お待たせしました。お忙しい中をどうも」と入って来られたのは、この宗派の重職でありご住職でもあった。

 やがてゲストの方々が次々にご到着。机の周りに揃い、そこで主催者代表の方から趣旨説明が。月刊誌「御堂さん」で映画「お葬式」についての対談を掲載すると仰り、予定されているかなりのページ数を伺ってびっくりした。

  対談者は4名、関西の映画評論と司会で著名な「浜村 淳」さん。ご住職でありテレビ局のプロデューサーでもあった本多さん。そして、もう一人が「遺族の立 場から映画をどのように」という観点でと迎えられた生恵幸子さん。彼女はボヤキ漫才で有名だった「人生幸朗」師匠の相方さんで、少し前に師匠に先立たれて いた。

「久世さん、あなたは業界からの立場で客観的なご意見を」なんて言われて思い出したのが、映画の中に登場されていた江戸家猫八さんの存在。そこから約2時間ほどの対談となったが、編集者が「予想以上に中身の濃い対談が掲載できます」との感想が印象に残っている。

 そんな中で、彼女が「人って、去った後で存在感が強くなります。満中陰が過ぎてから寂しさが募ってなりませんでした」と語っておられた。

 その彼女、昨日、享年83歳で人生の幕を静かに閉じ逝かれたそう。お浄土でご主人と再会を果たされ、最近の浮世の愚かさを「責任者出て来い!」と、いっぱいボヤイていただきたいと願ってしまうが、その時の彼女のお姿をはっきりと思い出しながら、静かに合掌申し上げた。

 また、夫婦漫才で人気の高い「大助・花子」さんの宮川大助さんが脳出血で入院されたことをニュースで知った。何度かテレビでご一緒させていただいたが、冠婚葬祭の「葬」の特集番組に招かれ、ご夫婦と対談したことがあった。

 テレビ局から出演依頼があった際、お笑い的にしないという条件で進み、本番当日にご夫婦と1時間ほど打ち合わせを行い、予想外と言ったら失礼だが、その時の大助さんの真面目さと気配り心配り、そして丁寧な言葉遣いに感銘を受けた。

 その彼が、仕事中に手足の痺れを感じられて病院へ行かれたそうだが、元気に復帰されることを心から祈念申し上げて手を合わす。

  人生には様々な出会いがある。茶道にゆかりある「一期一会」の言葉があるが、これまでの多くの素晴らしい人達との出会いは私の宝。仕事の世界では協会のメ ンバー達と塾生達だが、「手を合わせる姿」と「後ろ姿」の美しい人達との出会いに心から感謝を申し上げ、今日の号を結ぶ。 九拝合掌
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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