2006-10-30

怖いですね!  NO 1673


 最近、事前相談がびっくりするほど多くなった。参列する経験が何度あっても、喪主や遺族の立場になるということは生涯では稀なこと。長男以外の次男、三男が喪主を務めるケースも皆無というのが常識。

「葬儀って、大変みたい!」「親戚の人達がどれぐらい集まるのだろう?」「家の宗教って?お寺さんをどうするの?お布施は?」「何処でしたらいいの?」「いくら費用が掛かるの?」

 そんな「?」の解決を目的に来社され、スタッフが担当するのだが、最初は皆さんに戸惑いが感じられるところから、それを払拭するために女性スタッフが対応することで少しは和らいでくださるよう。

ご本人やご家族の思いを拝聴しながら「Xデー」について打ち合わせを行う訳だが、まだまだ一般論として「生前に打ち合わせなんて不謹慎」という考えもあるよう。しかし、来られた方々がお帰りになる際に共通して仰る言葉がある。

「安心したわ」「相談してよかった」「絶対に相談するべきね」というようなことだが、「有り難う」の言葉に何か吹っ切れたご表情を感じ、ご看病でお身体を壊されないように祈念申し上げながら後ろ姿を見送っている。

「これから残された時間をどのようにお過ごしになるか?」それが我々プロとして最も重視したいアドバイスで、予算などの現実的な会話の後、その重要性に気付かれる方々が多くおられることを知って欲しいもの。そんな過ごし方の内容についてアドバイスする勉強も大切だ。

 悩みはストレスそのもの。打ち明けると軽減することにはなるが、相手を間違うと何倍にも拡がって後悔することにもなってしまう。ご来社時の辛そうなお顔からホッとされてお帰りになる変化、そこに我々の仕事の社会性が存在しているような気がする。

  さて、夜に霊感や占いの世界でかなり著名な人物と会った。私は占いを信じないタイプだが、名刺を出さない内に「あなた、普通じゃない。何の仕事」と尋ねら れ、興味心からやんわりと「お考えください」と返したところ、知らない筈の私の仕事に近いことを言い始めたので背中がゾッとした。

「霊に関係するお仕事みたいね。何万という霊に・・・そう、宗教にも関係している」

 そんなことを言われたら驚くのは当たり前。しかし、どうも信じ難く、同席していた人の中の誰かが前以って教えたのでは?という疑問を抱いたが、そんな人はどう考えても見当たらず、どうやらその世界の本物のプロのような思いがした。

 すぐに名刺を差し出し、葬儀に携わる仕事と打ち明けたが、そこから嬉しいことを教えていただくことになった。

「あなた、真剣に取り組んでいるみたいね。いいですか、霊に感謝されるとパワーが与えられるの。何か不思議な体験をしたことがある筈よ」

 そこでこれまでに気が付いたことを申し上げ、今春の入院時、病室の壁に鳳凰が2日間現れたという体験をお話しすると、「それ、夢や幻じゃないのよ、あなただけに見えていた筈。守ってくださった神仏のお姿なのよ」と仰られた。

 如何でしょうか? ご訪問くださったあなた様は、果たして信じられますでしょうか?

 前述したように占いが嫌いな私だが、自分にとって悪い運勢が書いてあれば一切信じることなく、良いことだけを信じるのがこれまでの勝手な歴史である。

そんなところから今日の不思議な出来事は信じることにしたが、これまでに担当させていただいた多くの故人に手を合わせたのは言うまでもない。

  そうそう、今日は、もうひとつ不思議な出来事があった。朝刊を開いていくと、外国人の女性の写真が一面広告に大きく登場している。<どこかで!確か?>と 思ってコーナーにあった文字を確かめるとやはり思った人物、アメリカの有名な映画俳優からモナコ王妃になったグレース・ケリーさんで、化粧品会社の広告 だった。

 彼女の出演された映画で印象に残っているのが「裏窓」だが、その日本語の吹き替えを担当されていた武藤礼子さんが昨日の午後に亡くなっている事実に驚いた。

 武藤さんはテレビのアニメの世界でも活躍された有名な声優さんだが、サウンドミュージックでジュリー・アンドリュースの声を担当されていたのが印象に残っている。

 モナコ王妃であった方をCMモデルにされたこともびっくりだが、その前日に関係した声優さんがご逝去されたことが偶然には思えない出来事。それは、ヒッチコック作品である「裏窓」という映画のようなサスペンス性を秘めているような気がする。
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