2016-03-08

生かされて  NO 4789

特急 しおかぜ「幸せ列車」で10年前の「独り言」を紹介くださっているが、今日の号で気付いたことが大阪赤十字病院で大きな手術を受けたのが一昨日の号で触れた11年前ではなく10年前だったことである。

11年前というのはその病気に自分で気付いて診察で確認された年で、その1年後に覚悟を決めて手術を受けた経緯があった。

ある日のこと、俯せになって新聞を読んでいたら腹部に心臓があるように動悸を感じ、尋常でないところからお世話になっている医院で診察を受けたのだが、私の話から「そんなところに心臓はないし」と言われた先生が念のためにとエコーの検査に進んだ。

「あったわ! 立派な動脈瘤だわ」と診断されて衝撃を受けた。そこで紹介状をいただいて大阪赤十字病院で検査を受けたのだが、循環器の部長という先生が次のように言われた。

「確認された直径は4.7センチ程度です。6センチになったら手術を勧めます。世の中には10センチでも気付かない方もいますが、この病気は爆弾を抱えているみたいなもので、いつ破裂するか分かりません。破裂したら激痛を伴います。その時は20分以内に救急車で来院してください。50%は助かりますが、腹部の内部は出血で大変で、そこから先が難儀なのです」

「当病院のコンピューターにあなたの検査データーの全てが入力されています。今日に至るまでの過程が不明で、急激に発症したものか随分前から少しずつ大きくなったものかは分かりません。これからの生活で机の角に気を付けてください。また前を歩いている方の肘にも要注意ですし、お孫さんをお腹の上で遊ばせることも危険です。出来るだけ大阪市内から出ないように、山間部の温泉で問題が生じたらさようならだと覚悟してください」

当時、私は全国各地へ出掛けていたこともあり、この言葉がどれほどプレッシャーになったかをご理解いただけるだろうが、ネットで自身の病気に関して知識を得て、ますます恐怖感に苛まれた時期だった。

そして1年後に覚悟を決めて手術をすることにしたが、序に頭の先から足の先まで全ての検査をお願いして臨み、手術当日に手術室に入って「お願いします」と頭を下げて手術台に自分で上がったことを憶えている。

周囲に手術に反対する意見もあった。手術後に体力が想像以上に弱ってしまう現実もあるし、予想しなかった後遺症の恐れもあるというものだったが、爆弾を抱える状態から抜け出したい思いが強く、大手術を決断したものであった。

確かに様々な問題が生まれたことも事実だが、爆弾から解放されてあちこちへ出掛けられるようになったことは本当に嬉しかった。

何度も入院した体験があるが、こうしてこの「独り言」の発信を続けているように、「病」と「寿命」とは別物ということは確かで、奇跡みたいな余命を過ごしている。

今日の写真は四国行きで利用する予定の「特急 しおかぜ」を。存命中に四万十川を見たいので四国を半周したいと思っているが、我が家も猫の存在があるので1泊2日の行程で、大阪から往復で1000キロ以上をジパング倶楽部を利用するが、また連続乗車券となるだろう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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