2013-05-04

あの日、あの瞬間(とき)  NO 3273


 酔っ払いが大嫌いである。それは飲酒運転による被害者のお葬式を何度も体験したこともあるからだが、飲酒で人格が変わってしまう人を少なからず目にしたことがあるからである。

 若かりし頃、所謂「泣き上戸」と言われる友人もおり、突然に泣き出すのでみんなで驚いた存在になっていたが、それはただ愚痴るだけでかわいらしいレベルだったので誰もが許容する範囲内だった。

  友人の割烹で会った人物には衝撃を受けた。「もう一本」と注文された言葉に「これ以上はダメです」と言った意味を知ったのはそれからすぐのことだった。う るさいほど「もう1本だけ」と懇願されて出した1合の日本酒だが、猪口で二杯ほど飲んだら目付きが急変、それこそ人格が変わった風に言葉遣いが荒くなり、 いつも恐妻家である男性の本音をぶちまけるような修羅場を見せ、オヤジの電話から迎えに来られた奥さんに連れられて帰られたのでホッとしたが、酒で豹変す る現実を体験してただびっくりの世界だった。

 交流していた団体の中に酒癖の悪い人物もいた。みんなから弄られているような存在だった が、宴が始まってある限界を超えると突然豹変し、「今、言ったことをもう一度言ってみろ」なんて揚げ足を取って絡み始めるのだから始末が悪く、徐々に知ら れて誰も彼と宴を一緒にすることはなくなってしまった。

 飲酒によって日頃の鬱憤やストレスを発散させるのを否定したくはないが、それで人格を下げてしまうことは残念なこと。「酒で失敗をしてしまうのです」と後悔をしていた知人もいたが、みんなから「それなら飲むな」と言われていた。

  私は伝統と歴史のある歌舞伎が好きだったが、海老蔵氏の酒乱問題事件から考え方を変え、残念だが興味が醒めてしまった。またオヤジギャグ的に言えば「梨 園」の「離縁」もイメージダウンで、梨園の世界が余りにもバラエティー分野に巻き込まれてしまっている現実に寂しい思いを抱いている。

  そんな歌舞伎が演じられる歌舞伎座に行って来た。友人が大ファンであったポール・モーリア・グランドオーケストラのコンサートだったが、かつての独特のサ ウンドを後継されようと「ジャン・ジャック・ジュスタフレ」氏が指揮をされた35名のオーケストラ。久し振りに懐かしい旋律を聴いて至福のひとときを過ご して来た。
 会場に入ろうとした時、過去にお葬式を担当させていただいたご親戚の方に声を掛けられびっくりした。その葬儀は忘れられないハプニン グがあった。宝塚の中山寺の近くのお寺が式場だったが、導師を務められるお寺様が時間を過ぎても到着されず、その原因が中国自動車道で発生した大型トラッ クの横転事故であり、ご親戚の方も来られていない方が10数名おられた。

 事情を説明して来られていた参列者に開式を遅らせるアナウンスをしたが、お急ぎの方やご予定のある方には焼香の準備で対応とご案内したが、気候の良い時期でもあったからだろうか、先に焼香される方は一人もなかった。

 お寺様やご親戚の方々が揃われたのはそれから20分後、約30分遅れの開式となったが、交通事故の原因からクレームが発生することがなかったので安堵したことを記憶している。

  さて、コンサートだが、信じられない残念なことがあった。5メートルぐらい離れた席の女性の携帯電話の待ち受け音楽が流れているのに、ご本人は自分のバッ グの中からとは気付いていないのだから大変。ちょうどチェリストの方がソロの演奏をするために指揮者の横に出て来られた時の出来事だが、その曲が終わって も鳴り続け、近くの席の方がスタッフを呼ばれる行動に至ったが、「恋はみずいろ」の曲が始まると同時に、その女性が会場の外に連れ出され、その席はそれか らずっと空席となっていた。

 こんな非常識な人物もおられるのでびっくりだが、待ち受け曲が演歌だったことは確か。観客の平均年齢は65歳前後と感じ、団塊世代に人気が高かったことを再認識。コンサートの感想は次号で紹介を。
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