2013-09-07

朱印に想う  NO 3391


 日に日に夕暮れが早くなっている。夏と冬に挟まれている「秋」という季節だが、いつしか水に冷たさが戻り、気が付けば山では紅葉が始まっているということになる。

 台風さえなかったらこの季節が好きなのだが、今年の猛暑の事実を考えると、間違いなく大型台風の襲来を迎えるような気がしている。

「紅葉は、葉の命の燃焼である」という言葉もあるし、「何よりも人の恋しさが募り、過ぎ行きし年月を思い懐かしむ秋」という司会のフレーズもあるが、木の葉舞う街の風景には人の世の所行無常の理を垣間見る思いがする。

 来月になれば伊勢神宮の式年遷宮を迎え、秋の伊勢路が間違いなく賑わうだろうが、周辺の駐車場不足による渋滞は避けられないようで、かなりの覚悟をして行かなければならず、出来たら電車とバスを利用する方がよいと断言する。

  友人や知人に「朱印帳」を持っている人達が多い。これは誰もが知られるように神社仏閣に参拝した記念に朱印を押印して貰うものだが、あちこちへの参拝に同 行した人達が寺務所や社務所で300円程度を支払って一筆と朱印を頂戴する光景を目にしたが、寺院はどこも素晴らしく達筆なのに、神社の大半はアルバイト みたいな巫女さんが対応されるケースもあり、その文字は残念な現実をいうことが多い。

 九州在住の友人夫妻と伊勢に参拝したことがあるが、その際に伊勢神宮と二見の神社でいただいた朱印の文字は残念なレベルで、もう少し何とかならないのだろうかと思ってしまった。

 今春に室生寺や長谷寺に参拝したが、その時に朱印を頂戴している光景を覗いたら、それは如何にも有り難いという雰囲気の毛筆の文字が目に入った。

 この「有り難い」というイメージも重要で、いくら参拝者が多いからとアルバイトの若い女性に担当させるとは横着なこと。それからすると西国や四国のお遍路で頂戴する朱印はどれも達筆であり、三筆のお一人である弘法大師のゆかりが伝わっているのかもしれない。

  お葬式の依頼を受けてご自宅に伺うと、床の間の掛け軸にご本人がお遍路をされていただかれた朱印の並ぶ掛け軸が掛けられていることも少なくないが、ご当家 の宗教と異なることもあり、枕経に来られたお寺様の中に少数だが、宗派の異なりを指摘されて外されるように命じられたこともあったが、大半のお寺様は広い お考えを示されたようである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net