2013-02-07

会葬と回想  NO 3189"


 今日は悲しい葬儀が行われ、妻が参列。私は他区の同業者のお通夜に行ってきた。先代の奥様のご逝去だが、先代の葬儀の司会を担当させていただいたご仏縁があった。

 我が大阪で歴史ある5社の葬儀社が「五人会」という交友会を結成したのは30年以上も前のことだが、皆さんより私が20歳ぐらい年下だったことから先輩方には可愛がっていただいたので手を合わせている。

 先代さんが入院されていた病院に見舞いに行った時、「私の葬儀の司会を頼む」と言われ、それから数か月後に亡くなられてしまったが、奥様やご家族の方々が来社され、改めて司会を依頼されたので恐縮した。

  その時に皆さんに提案したことは、先代さんがどんなご心情で私を指名されたかということで、「こんな葬儀もあるということをお客様にご体感いただくこと」 か、「業界対応を目的として考えられたのか」の二つだが、返って来たお言葉は前者の方で、それなら業界から批判が出ると申し上げ、それは私自身が受ける覚 悟て納得の上に進めるからとなった。

 地域の重職を歴任していた先代の葬儀の参列者数は800人を越し、例のない第一部「葬儀式」、第二 部「告別式」と分けて次第を構築、お寺様のご納得を頂戴して本番となったが、案の定、地元を中心とする参列者からは衝撃と賞賛のお声をいただき、同業者か らは批判の声が出る結果となった。

 どんな業界でもそうだが、自分達に不可能な世界を見せられると否定に走るのも常識のこと。しかし、それを教えて欲しいと来社した同業者が数社あったのだから捨てたものではないと思ったものだ。

 葬儀を終えてからわざわざお礼に来くださった奥様。在りし日のお写真が祭壇に飾られていたが、先々代からご仏縁に結ばれていた歴史もあり、特別に懐かしい思いで手を合わせてきた。

「五 人会」も私ともう一人の二人となってしまった。住吉区のメンバーが亡くなったのはある年のお正月だったが、住吉神社の近くのお寺で行われた1月5日の葬 儀、それは私がマイクを手にした歴史の中で最も寒い体験だったので忘れることが出来ない。強烈な冷え込みに勝手に身体が震え、マイクを持つ右手が揺れ動く 状態になって止まらなかったので大変だった。

 その葬儀を中心的な存在として仕切っていたのは冒頭の先代さんで、その時も「遺言だから司会を」ということで担当させていただいていた。

  そんな「五人会」で出掛けた旅行のことを思い出しながら帰宅。さて、過日の号で「肥薩おれんじ鉄道」を走る「おれんじ食堂」という列車のことを書いたが、 こんな企画が全国的に広まっているようで、数日前「JR東日本」が今年の秋過ぎから走らせるユニークな列車の企画が発表されていた。

「食・アート・景色」をキーワードに、3両連結全席レストランという発想で、定員48名というものだった。

 1号車はコンパートメント個室、2号車はオープンキッチン、3号車はライブキッチンスペースだそうで、プロが料理をする光景も見られるようだ。

  団塊世代が定年を迎えた頃から旅の提案にも変化が生まれたみたいで、次々に新しい企画が発表されているが、旅とは心の余裕を味わうもので、有名な黒川温泉 のある旅館の遊び心ある言葉を思い出した。そこでは「ひととき」を「人と木」と謳っており、木のぬくもりを大切にしているコンセプトを重視されているよう だった。

「3186号」で触れた北海道のお米についてだが、米穀店を営む知人からメールがあり、私が書いた「ふっくりんこ」「ゆめぴり か」の他にも人気の高い北海道産があるそうで、「ほしのゆめ」「ななつぼし」「ゆきひかり」「ゆきのめぐみ」「おぼろづき」「きらら397」などを紹介し てくれていた。

 冒頭の「おれんじ食堂」の列車だが、車内で出される「ご飯」は炊き立てで、産地は地元熊本の芦北町というこだわりも紹介されており、もう少し長生き出来たら、列車内で是非「炊き立てのご飯」を食べてみたいものである。
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