2009-06-01

声のチェック?  NO 2438


「男というものはいつもそうだが、我が家から離れている時が一番陽気なものだ」というシェークスピアの言葉があるが、それが病院となれば全くの別物。

体験のない拘置所暮らしと比べることは不可能だが、薄味の食事に夜十時の消灯、そのうえに早朝6時に「おはようございます」と放送が流れて照明が一気に明るくなる。その時間帯が最も眠いと言う患者さん達が多く、照明だけでもそのままであって欲しいとの意見が強いようだ。

 9時5分からのSTリハビリ、今日は女性の見学者を伴って行われたのだが、彼女は弊社の女性司会者。元アナウンサーという紹介に先生が緊張されたみたいだった。

 前々から声のリハビリに興味を抱いていた彼女、ずっと仕事に追われてやっと実現の日を迎えたということになるが、その一面には私の声の回復度の確認という極めて重要な目的もあり、それを知る私自身も緊張していた。

 土、日とSTリハビリがなかったところから<果たして、声が出るか?>と心配していたが、途中からまあまあの声が出始めホッとした。

 発病時から一ヶ月間を過ごした前の病院では「通訳が必要でした」と彼女に言われたことがあったが、言葉のコミュニケーションが可能になったことだけでも幸運なこと。その彼女が果たしてどのように感じていたのかは分からない。

「音感はしっかりしていますね!」と認めてくれた彼女。それは、キーボードで弾かれる音に合わせて発声する練習だが、アンパンマンだったキーボードも先月中頃からミッキーマウスに変更されている。

 鍵盤が大きかったアンパンマン・タイプは音階の幅が狭く、ミッキーマウス・タイプは鍵盤数は多いが子供の指向けなので大人には難しく、コードを弾くにも両手でなければうまく運ばないという代物であるが、音はまあまあというオモチャである。

 終了前に「おー」で「仰げば尊し」を歌ったが、その後で彼女のナレーションの世界を体感したいという先生のご要望があり、「何とか頼むわ」という病人の願いに応えてくれた彼女、3分ほどの彼女らしいナレーションを聞かせてくれた。

「凄 い!鳥肌が立ちました!」と仰った先生の言葉、「マイクなし、音楽なしでは出来ないのです」と言っていた彼女の心情を理解するが、それなくしても先生が感 動されたように、彼女のレベルは卓越したものであり、弊社の高レベルな司会の世界をご体感いただいたひとときとなった

 午後のリハビリの最中、友人が妻と共に面会に来てくれた。PTの先生のご指導を受ける中、「大変だなあ」と重~い一言。そこに私のこれからの課題が凝縮されているわけだが、何とかクリアすることを目指して頑張るつもりだ。

 部屋に戻り、妻から手渡されたものを見てびっくり。田舎生活を体験した人にしか分からない「グミ」の実で、山での野菜や果実作りを趣味としている友人からの届け物。時間の経過で少しひなびてはいたが、それはそれは懐かしい味を感じて幸せだった。

 明日のリハビリは9時5分ST、11時15分PT、15時40分OTとなっている。

 今日の写真は区民ホールで行われたチャリティー・コンサートの一場面から。司会を担当しながら第一部から第二部のつなぎのところで披露した余興だが、この後でハモンド・オルガンを演奏した音楽クイズが大好評を博したのが懐かしい。
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