2009-05-20

本物への道  NO 2426


 昨号に「未完成」という言葉があったが、ページに限りがあったので本号に本意を認める。

 人生に於ける「完成」とは、いったい何時の時点のことを定義付けるべきなのだろうか。

聖 路加国際病院の「日野原重明」理事長は、95歳のご高齢でバリバリ現役の場でご活躍され、90歳になられてからゴルフを始められ、今でも脳の活性化のため にピアノを弾かれるのに驚嘆するが、あの方のとって「完成」とはどのような捉え方をされているのか興味深いところである。

 先生が「やらなければならないことが多くて死ねない」と仰った言葉に強烈な刺激を受けたが、「まだ、未完成」とお考えだったら、誰もが謙虚さを真摯にアップさせなければならないだろう。

 20代や30代の年代で「俺は完成している」「俺は大物だ」なんて考えている愚かな若者がいるかもしれないが、先生のご存在を考えると恐れ多いことに気付くだろう。

 医師とされて「手当て」と「看取り」について、如何にも先生らしいお考えで実践行動
されているお姿に手を合わせたくなるが、天職とされてのお仕事と人生に於ける「本物」のプロを見せてくださっているように思えてならないのである。

 松下幸之助さん、本田宗一郎さんなどと並んで「本物」で「大物」というお方になるだろうが、大物になれなくとも、誰もが少なくとも与えられた仕事にあって「本物」を目指して邁進したいではないか。

 人を育てることは大変なこと、これまでに何度も書いた「人<材>」から「人<財>」への育成は本当に難しいが、本人の「やる気」一つでそのスタートが出来ることを知っておきたい。

 本物を育てるには環境も重要である。前々号で九州の葬儀社にいた素晴らしい社員のことを書いたが、彼が退職に至った前の葬儀社は、マニュアル以外を許さない会社で、お客様に喜ばれたら上司から叱責を受ける不思議な会社。間違いなく凋落の道を進んでいると思ってしまう。

 そんな会社の環境で特徴的なことは、自分に出来ないことをする社員に対して冷たい風が吹くことで、他人を認めたくないという風土で固まっているということである。

 そんな上司や仲間が存在していたら会社の崩壊は当たり前、会社にとって健全な「かたち」は「人」を大切にする環境。社員が会社の何よりの財産である考え方だろう。

 意識改革にあって最も重要なことは「なるほど!」「そうなのか!」という姿勢。その背景で「謙虚さ」が問われることを知れば好ましい上司と呼ばれる筈だ。

「完 成」に至る道程は冒頭の先生の例のように程遠いものだが、そこに「感性」なくして本物になれない事実があることも学びたいもの。素朴な世界に「感動」出来 る人は将来性が高く、自身が自分の仕事にプロ感を抱けたら、必ずや他業種のプロ達の仕事に感動を覚える筈で、それがない人は会社という組織から「勘当」即 ち解雇される立場にあると学びたいもの。

時には「自分は完成?それとも未完成?」なんて考え方も必要ではないだろうか?

 明日のリハビリは9時5分ST、11時15分PT、16時20分OTとなっている。

今日、眼科に行きたくて外出届を出したら駄目だった。大阪市内で問題になっているインフルエンザの流行予想から、今週の外泊や外出は一切禁止となったそうで、腹立たしいインフルエンザではないか。

 社会には「騒ぎ過ぎ!」や「毒性が低い」なんて楽観視の声もあるが、お腹に命を授かられた妊婦さんの存在を考えると大変だ。

私がSTリハビリを受けるフロアは子供病棟でもあり、そこには肢体不自由や言語障害の幼い子供達の姿が多くていつも心を痛めており、故にアンパンマンのキーボードもあるのだ。どうか抵抗力の低いお年寄りや幼い子供、そして妊婦さんが罹患されないようにと手を合わそう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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