2012-02-02

寒波襲来  NO 2828


 猛烈な冷え込み、日本海側では今冬最も荒れた天候で、台風並みの暴風模様だったとニュースで報じていたが、自然の岩盤浴で知られる秋田県の玉川温泉で雪崩が発生、テントが流され3人が巻き込まれたそうで驚いた。

 また、青森県のむつ市の国道で100台ぐらいの車が立ち往生、救いを求める電話が50件以上も寄せられているニュースもあったが、雪の被害に遭わない大都市で生活する我々が恵まれていると改めて考えさせられた。

  今日の葬儀はさぞかし大変だったと想像する。参列された皆さんも大変だが、担当する社員達も大変。日頃の式場空間で行われるお通夜や葬儀がどれほど恵まれ ているかを身を以って体感しただろうが、式場をご利用くださるお客様に、より以上のサービス精神を発揮しなければならないことを学んでくれたらという思い を抱いている。

 それにしても、東北や北陸の豪雪地帯のお通夜や葬儀のことを考えると心配になる。ご親戚や参列者が大変なだけではなく、道中で遭難なんてことになったら二重の悲劇となってしまう。こんな季節にご逝去を迎えられた方々のことを慮りながら手を合わす。

 北海道のある葬儀式場のオープニング式典の司会を担当したことがあったが、それは驚くほど立派なものだったが、玄関の階段に床暖房が設置されており、雪のシーズンにお客様が滑らない配慮をしていることに北国らしい発想を知った。

 また、別の式場の駐車場が信じられないほど広く、社長に事情を確認したら、「北海道の冬は車が重要。歩いて参列されたら凍えてしまいますから、皆さんが車で来られるのです」と、我が大阪のように公共交通機関をご利用くださいという発想とは別世界だと教えられた。

  夏の猛烈な暑さ、そして冬の厳しい寒さは、時として暴力的とも言えるだろうし、それは人々の心を騒がせたり落ち着きを剥奪してしまうもの。大切な人の大切 な儀式にあって、そんな心情が生じることはあって欲しくないもの。そんなところに全天候型の式場空間の重要性が着目されるところでもある。

  前号でお通夜での宗教者の法話の環境に関して触れたが、それは、我々司会者の立場にあっても同様であり、ナレーション一つにとっても、暑い寒いは時間の流 れにイメージとして大きく影響を与えてしまうもの。故に、エアコン設備のある空間で静かに過ごされるひとときが重視される訳である。

 ある地域の会館で行われたお通夜と葬儀でのこと。折悪しくの雨で交通量の多い道路の路面が濡れており、通行する車のタイヤの音が凄まじく、遠方から来られていたご親戚の方が「ここは、人の最後を送る所ではないな」と仰ったことが印象に残っている。

 数日前、その地域の重職にある方から相談を受けた。役員という立場から地域の会館の利用を勧めてきたが、やはり専門式場の利用の流れは仕方がないとご理解されたそうで、使用の激減から予算に組んでいた運営費をどうするかで困っておられるとのことだった。

  考えてみれば、ご不幸が多いと町の会館が潤うと言うのも不思議なこと。トヨタに乗るかニッサンに乗るかも自由だし、テレビで東芝かパナソニックかを選択す るのも自由である。高額な費用を掛けられるお葬式で、そんな制限が存在するとは不思議なことでは?とアドバイスを申し上げた次第である。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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