2009-01-18

忘れられない日 続き  NO 2348


 阪神淡路大震災の発生した日、この1月17日もこれからの生涯で絶対に忘れられない日。未曾有の震災で様々な体験話を拝聴することもあったが、その犠牲者の方々のご葬儀や追悼式を担当させていただいた歴史、その思い出は、すべての方々の「形見」として心に刻んでいる。

 年末から年始、そして一月も中旬になって事前相談が増え、スタッフ達が対応申し上げている。お心残りが出来るだけ少ないようにと願ってアドバイスを申し上げるのだが、私の場合には、もう20数年前から次のような内容で結びの言葉としていた。

「大 切な方が一秒でも長生きをされようとなさっている。ご家族の皆さんは一秒でも長生きをしていただこうと願っておられる。そこで重要なことは、ご本人が何を 望んでおられるかということが最優先課題。ご本人、ご家族の両者にお心残りがないように考えられること。だからその瞬間を迎えるまでに残された時間を有効 にとお考え下さい」

 ここで私の生きた証しの一ページとして記録のために書くが、今、私の母が入院をしている。高齢者に多い転んで骨折というケースだが、心臓は至って元気で食欲もモリモリ。来週初めに受ける手術のことを嫌がっているが、何とか宥めて決行しなければならないので大変だ。

  振り返れば親不孝をいっぱいした。その際たる「心配事」ことと言えば何度か体験させてしまった私自身の入院である。青春時代に名神高速道路で起こした居眠 り運転の大事故、警察から電話連絡を受けた時の衝撃はさぞかし強烈なものだったろうと想像する。そうそう、その半年ほど前にも虫垂炎で手術入院をしてい た。

 それからも何度かしてきた入院、親にとって子の病気入院とは非常なストレスを伴う出来事。故に「親不孝」となるわけだ。

 高齢だけに手術後からのリハビリが大変だろうと想像するが、病院でのベッド生活を余儀なくされると若いスポーツ選手でも筋力が急激に弱る。それらを考えると退院後のことが大変となるだろうが、私にとって最後の親孝行という機会と考えている。

 この2日間、数時間を病室で付き添ってきたが、すでに貴重な体験が幾つもあり、気付き感じることとなり、それらは今後の私の仕事にあって、上述の事前相談などにもまたグレードアップにつながることになるだろう。

 自宅、会社、病院とグルグル回ると歩く距離が増える。車の使用を最小限にし、今日なんて9キロぐらいは歩いており、減量という健康促進に効果があるようにと期待している。

 今日の結びに少しだけ司会に関するテーマを。「が・の・を・に・へ・と」と言えば日常の言葉に何千、何万回と出てくる格助詞であるが、この一文字で聞く側の受け取り方がコロッと変るので怖いものだ。

「本日『は』新幹線をご利用くださいまして」「本日『も』新幹線をご利用くださいまして」の『は』と『も』の意味の異なりは、後者は「何度もご利用」という想定の言葉形成であり、前者には「常連客」としての捉え方をしていないとなるだろう。

  これを我が葬祭業界の司会者に当て嵌めたらどうだろうか。「昨夜の御通夜ご弔問に引き続きまして、本日も御葬儀式にご会葬くださいまして誠に有り難うござ います」となれば、まずは「引き続き」が禁句で省くべきであり、「本日も」の部分は「本日は」若しくは「本日の」となるだろう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net