2009-03-17

転院前夜に  NO 2367


 午前中に言語のリハビリ、担当の先生がこの「独り言」をご笑覧くださったそうで恥ずかしい思い。出会いは偶然、別れは必然という言葉を思い出しながら、心から感謝の気持ちを伝えてきた。

 午後から歩行のリハビリ。消灯前の時間帯に補助器である交互歩行器で廊下を約80メートルほど歩くが、時速に換算すると0.5キロ程度。イライラしながら<明日にために!>を目指してフラフラ歩いている。

 その成果だろう、歩行器を持ち上げたままで十数歩を歩くことが出来たのだが、先生から「左右の筋肉を使っていない歩き方」とご指摘を受けた。

  昨号で「ピピ」の民ちゃんにそっくりと書いたが、民ちゃんのブログには早速そのことが綴られてありびっくり。ご興味のある方は、ヤフー、グーグルで「やさ しさにいつでも逢える」で検索されたらトップに登場していますのでどうぞ。また、その中から接続されている「ピピ」のHPが美しく、一見の価値があります のでご訪問を。

 歩行リハビリを終えて部屋に戻ると「シャワータイムです」と担当の女性が待ってくれており、着替えを持参して車椅子でシャワールームへ運ばれ、前回と同じように背中だけ手伝って貰った他は全て自分で行ったが、「いつの間にそんな機能回復が!」と驚かれていた。

  続いては作業療法のリハビリ、いきなり「着替えはご自分で出来ますか?」と問われ、シャワールームでの経過を説明したらびっくり。「それじゃあ」と出され たのが「上肢機能検査器」で、10項目ほどのテストで、右手と左手それぞれが要する時間を計測、年齢から分析された成績を目に予想以上の出来に安堵した。

 言葉の仕事をしている私、司会者への指導の際に第一声の音階に注意と教えてきたが、それによって伝達イメージが微妙に変化することを知って欲しいし、それを学んだ人達が一様に驚いていた事実もあった。

 一般的なサービス業従事者は「ソ」から。看護師さんが患者に接する際は「ラ」から。医師は安心感と重みが重視されるところから「ド」からなんて説いてきた歴史がある。

 看護師さん達の言葉で気になるのが「ね」を「な」に置き換えた言葉遣い。「背中、拭くな」なんて失礼過ぎる。どうして分かりやすく「拭くね」とか「拭かしてね」といえないのだろうかと疑問を抱いており、指導してやりたかったが大人気ないので止めておいた。

夕 食前に「今日の夜勤担当です」と挨拶にきた看護師さん。彼女の言葉はこの病院で知る限り最も美しいレベルと称賛する。それぞれの患者に差別なく対応する姿 勢も素晴らしいが、言葉と表情の両方に「やさしさ」が感じられるのが何よりで、この病院関係者の誰かがこの「独り言」を覗かれたら、是非、彼女に伝えて欲 しいと願っている。

 入院期間中を振り返ってみれば、肺炎に苦しんでいた2週間が辛くて大変だった。栄養補給が必要だと鼻から胃に直結す るチューブを入れられ、そこからバナナの香りのするポタージュスープみたいなものを注入されたのだが、私の要望で一番細いチューブだったので時間が掛か り、その間の胸焼けや逆流性食道炎みたいな症状に悩まされていた。

 そのチューブが、4日目の頃に問題発生、寝る前の薬を注入する時に薬 がチューブ内で固まってしまいどうにもならず、引き抜くことになってホッとしたが、次の日に新しいチューブを入れたものが胃壁に当たって出血、同時に、ま た薬を注入したら固まってしまい、もう堪らず「栄養不足で痩せてもよいから点滴だけで」と懇願し、抜いて貰ったお陰で治療にあっては随分と遠回りすること になってしまった。

 しかし、チューブを抜いた時の開放感は爽快そのもの。それによって心に別のパワーが発生したようで、そこから肺炎が徐々に治まり始めたのである。

 明日は、転院。次の病院でどんな生活が待ち受けているのかは分からないが、いつも車椅子を押してくれる職員さんから「きっとスパルタですよ」と驚かされてビクビクしている
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