2006-02-25

紅葉饅頭から?  NO 1436


 スタッフ達が遠方に出掛けている。そんな中、社内は子供達がいっぱいで賑やか。お母さんと子供達のクッキング教室が開催され、シチューのような香りが漂っていた。

 広島の同業者さんが来社。弊社の有するソフトに興味を持たれ、前々からアポがあったものだが、伴われた数人の方々もカルチャーショックを受けられ表情を強張らせしまい、お気の毒な感じも。

 リラックスを願って大阪、広島間の距離を話題に。昔、グリーン・フェリーが大阪と広島を結んでいた話が出てきて、やっと和やかに。初対面の「変なオジサン」との会話の始まりはリラックスが重要なのである。

 そんなところから、今日は、ちょっと脱線し、もう7,8年前の話だが、宮崎県で仕事を終えて大阪に戻る時の体験談を紹介しよう。

 夜にスケジュールが終わり、その日はそのホテルに宿泊したのだが、大阪行きのフェリーが出るのは夜、何度も来たことのある宮崎、その時間まで観光する気分にもなれず、道路を走って別府に向かうことに。

  会社に電話入れると「ごゆっくりと」なんて言葉が嬉しく、<温泉でも!>という心の変化で走り出したのだが、宮崎から別府間の道路事情は最悪、黄色いセン ターラインが延々と続く10号線をただ只管に走るだけ。途中にあったバイパスに入ると予想外の所へ出てしまい逆に遠回りで時間が掛かる。あちこちに掲げら れた「高速道路設置を!」の看板の意味を痛いほど体験した。

 さて、やっと着いた別府「高崎山」の前にある水族館駐車場で休憩、会社に電話入れたら「今夜の内に帰阪を」と言われて仰天、次の日に私でなければならない仕事が入っていた。

 さてどうするかと思案、別府からのフェリーで朝に大阪という選択もあるが、こうなれば今日中に大阪に戻りたくなる。しかし、小倉まで上がって中国道を走行するとなると大変だ。

そこで思い出したのが広別汽船の存在、別府から広島までフェリーを利用することだった。時刻表を確かめると午後2時過ぎの出航に間に合う。予約の電話を入れるとスイートしか空いてないとのこと。贅沢なことだが仕方なく、そのまま予約を入れて別府港に行った。

 広島の宇品港まで約6時間の船旅、船内で食事を済ませてベッドでお休み。広島から山陽道を走る時間を計算、何とか日付が変わった頃に大阪に着くと会社に電話。

 このフェリーの利用で300キロの走行が助かった。お陰で随分と体力負担が軽減されたが、瀬戸内の景色が暗くなってきた頃、<今頃。別府の温泉だったのに>と思うと残念だった。

  しかし、その後、この航路を逆のコースで利用することになった。大阪を車で出発し、深夜に九州到着予定で山陽道を走行していたのだが、岡山インターを過ぎ た頃から疲れで猛烈な睡魔。そこで予定を変更して広島港から「由布丸」を利用、午後9時発で午前6時に別府に着く選択をした。

 現地のス タッフに連絡して「朝に着く」と伝えてホテルをキャンセル、船内でゆっくりと過ごして原稿整理。この船は別府港に時刻表より約1時間ぐらい前に入港し、午 前6時まで船内で過ごせるということになっていたが、下船OKと同時に出発、目的地まで2時間走行したが、気分爽快で現地に到着。先入りしていた関係者か ら「そんなルートが!」と驚かれた出来事だった。

 その航路も21世紀を迎える前になくなってしまい、ちょっと淋しい思いがする。確か2500トンぐらいの小さな船だったが、私の人生に刻み込まれた1ページ。今も由布という「船名」を「鮮明」に覚えている。

 その後、この航路は呉から高速船「それいゆ」を就航させていたが、それも採算性から撤退してしまったそうだ。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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