2005-12-22

身も心も温めに  NO 1371


「雪は天からの手紙」と書いた作家がいたが、ついに大阪も北国のように雪が降った。
朝から知人から電話が。「吹田から中国道が通行止め。三田まで行く道を教えてくれ」と悲痛な声。ネットで調べたらあちこちで通行止め。「中止した方が」と言ったら「どうしても行かなければ」と言う。

 日頃に高速道路に頼っていると、こんなイレギュラー時に困るもの。過去に阪神高速が通行止めになった際、「空港までの道を」と多くの電話があった。

 高速道路を走行していると、橋の直前に「この先、凍結注意」という標識を目にするが、今日の出勤途中、会社の近所を流れる運河の橋でそんな光景がはっきりと見られた。

 降りしきる雪の中、橋の上だけが真っ白に積もっている。道路は濡れたまま。そこだけ路面温度が低いからそんな現象になるのだろうが、視界の悪さもあり雪の運転は注意が必要だ。

 冒頭の知人のことだが、「満タンにして水と食料を積み込め。」とアドバイスし、一般道でも渋滞に巻き込まれて遭難の危険性があることを教えておいた。

 今日が定休日でゴルフを予定していた友人達もキャンセルの憂き目に。昨夜にクローズを想定して幾つかのゴルフ場をアドバイスしていたが、そのすべてがダメだったとのことで気の毒。

 来社された宅配会社のオジサンも「遅れてどうにもならん」と嘆いておられたが、外に出ると弊社の車がみんな真っ白に雪を被っていた。

 先月に広島まで葬儀に行ったが、もう満中陰を迎えられる頃。今頃だったら雪のために車で行けず、音響機材を持ち込むことが出来なかっただろう。

 永年大阪で葬儀の仕事に携わっているが、市内でタイヤチェーンを装着したのは1回だけ。もう20年近く前だが、朝起きたら大変な積雪でびっくり、午前中の葬儀に出掛けるのにチェーン装着で大変な苦労。

 当時の車はセンチュリーだったが、ガチャガチャ音を立てながら、式場であるお寺の前に到着したのが恥ずかしかった。

 そのお陰で運転は楽だった。ご出棺で前を走る霊柩車が何度も滑っている。通常片道25分の瓜破斎場まで1時間も要したが、途中で陽が射して来て帰路は解け、装着したまま戻って来た時の乗り心地の悪さをはっきりと記憶している。

  台風や大雪の際、「大阪とは結構なところだ」という会話が多い。確かに自然災害の被害パーセンテージが低い。あちこちに移動の多い私には他府県の情報把握 が欠かせない。列車の時刻表や道路の知識、それらは行動という体験の中で入手してきたもの。だから多くの人達から「温泉情報」や「道路情報」を求められる 便利屋になっているみたい。

 友人達に頼まれた旅行のプランを何十回もアドバイスしてきた歴史もあるが、旅行会社の窓口にいるプランナーより知識を有していると自負している。

  我々大阪の人間に、意外と多い「勝手な思い込み」がある。それは、冬用タイヤ「スタッドレス」のこと。チェーン規制となればスタッドレスでもチェーンを装 着しなければならないことがあるのを知らない人がいっぱいいるから。そんな話を持ち出すと「嘘っ!」と返してくる。雪の道路は恐ろしい。それは、実際に危 険な目に遭った者にしか理解できない怖さがある。

 今年の12月は本当に冷える。身も心も悴む寒さ、そんな時の極楽は自宅前の銭湯だ。今日は「冬至」柚子風呂で「湯治」と洒落込もう。

久世栄三郎の独り言(携帯版)
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