2008-05-04

大阪の味  NO 2193


「それぞれに それぞれに咲く 桜かな」 これは、来る7月8日で閉店を決められた道頓堀「くいだおれ」の女将さんから4月初旬に頂戴した葉書の冒頭の句。60年の歴史のある大阪名物と称されたお店だけに寂しさが募る。

 閉店の日までは「さようなら くいだおれフェア」を開催されているそうで、本状持参の方は記念品を進呈と結ばれていた。

  そんな中で飛び込んできたのが問題の「船場 吉兆」の「お客様の食べ残しの再利用」という衝撃のニュースだった。社長名で仕方なくと発言していた料理長だ が、自身の仕事の誇りをなくしたらプロではない筈。どうして「辞めさせてもらいます」「内部告発します」ぐらいの諫言が出来なかったのだろうかと残念に思 う。

 これで吉兆は「終わった」ことになるだろうが、これこそ「羞恥の極み」という失態と叩かれるだろうが、過去に利用されたお客さん達も怒り心頭に発する思いというところだろう。

 さて、そんな高級な店はさておいて、ちょっと遅めの昼食をと商店街の蕎麦屋さんに行ったら満員、仕方なく東の方へ歩いて行ったら無性に「お好み焼き」が食べたくなり、昔から交流のある店に入った。

 ここの「お好み焼き」は、如何にも大阪の味そのもの。何人かのスタッフを伴ったこともあるが、全員が「おいしい!」「大阪のお好み焼き!」という食感を味わっている。

 いつもはゴルフの上手なマスターがいるのだが、今日は、お母さんが担当。「もう、身体は大丈夫?」「ちょっと太ったのでは?」「この前、テレビを観たよ」なんて会話を交わしながら私好みの「お好み焼き」を焼いてくださった。

  食欲がない時にこれは最適、鉄板に流れ出たソースが焦げる香りが何とも言えない独特のもの。ここのソースと青海苔が見事にマッチし、多くのファンがいるの も頷ける味を体験できる。スーパー万代の近くで「みっちゃん」という屋号、商店街の肉屋さんと美容室の間の路地を入ったところにあるので是非どうぞ。

 その商店街を西に行くと左手に「ん」という「お好み焼き」店がある。オヤジさんとはいつも銭湯でお会いしているが、このお店には「たこ焼き」を焼ける器もあり、それを楽しみにやって来られるお客さんも多い。

 弊社の葬儀式場であるシーン西館は疎開道路に在しているが、20メートル離れた商店街との角に「歌舞伎」という「たこ焼き」のお店がある。ここの「たこ焼き」は直径が大きく、その鉄板の横では「お好み焼き」の店頭販売もしている。

 そこは、会社組織。社長とはライオンズクラブでご一緒したが、今は上海に進出されて大きな店舗を構えているが、反日デモの際に大きな被害を被った出来事もあり、何度かニュースで被害を訴える彼の姿を目にしたこともあった。

 そんな商店街に、また新しい「たこ焼き」屋さんがオープン。その店の「売り」は「出し味」のついた「たこ焼き」で、結構お客さんが立ち寄っているようだ。

  お通夜の日、ご遺族やご親戚の人達が商店街を歩かれることも多く、「たこ焼き」や「お好み焼き」を買って来られるケースも多いが、地方から来られている 方々が「大阪のたこ焼きやお好み焼きはおしいい」と仰る言葉を耳にするし、「どこの店がお薦め?」と聞かれたことも何度かあった。

 これは難しい問題もあるだろうが、お爺ちゃんやお婆ちゃんのお通夜にやって来られたお孫さん達に、控え室で「たこ焼き」を焼かせてあげるサービスも一案で、それらは、きっと忘れられない思い出になるからだ。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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