2008-10-20

季節の移ろい  NO 2296


 秋らしいさわやかな天気が続いている。我が家の玄関前に背丈ぐらいの金木犀の鉢植えを置いているが、その香りも薄らいでしまったようだ。

 今月の初め頃には「いい香り!」と、立ち止まっておられた方々も多かったが、そんな姿を見ることもなくなった。それにしても日中の気温の高さが異常みたいで気に掛かる。

「春 の沈丁花は七里香、秋の金木犀は九里香」や「金木犀は千里香」という言葉もあるが、自然が創造してくれた「香り」とは素晴らしいもの。人工的に造られたも のとは異なる風情というものがあり、その背景に日本の文化を謳い上げる花鳥風月などを含めた「春夏秋冬」という季節の流れに日本人らしい幸せを感じるので ある。

 ある年の秋に招かれた講演でそんな話を冒頭でしたら、終わってから「控えておきたいから、もう一度」と確認に来られた人が数人おられ、落語家ではないが「枕」がうまく運べたように感じた出来事となった。

 その講演会場は大きなホテルだったが、午後1時半から3時までを担当するところから12時過ぎに到着、ロビーでコーヒーを飲んでいたら主催者側の人が来られ、「控え室の用意がありますので」と案内された。

 連れて行かれた部屋は広い和室、すぐにホテルスタッフが見るからに上等な茶菓子とお茶を出してくれたのだが、続いて「どんぶり」が座卓の上に置かれびっくり、幹事の人が「粗食ですが」と勧められた。

 後で知ったことだが、私の「偏食」のことを聞かれており、無難な発想から「洋」より「和」を選択された配慮であった。

 その「どんぶり」は「親子どんぶり」で、牛肉は駄目だろうというところから決定されたみたいだが、「どんぶり」は「玉子どんぶり」しか無理なので、もしも<親子や他人なら?>と考え、講演の前や司会をする前には食事を採らないと申し上げて蓋を開けなかった。

 開けたら食さなければならなくなる。その時にふと思ったのが先人の知恵の発想から生まれた「他人どんぶり」と「親子どんぶり」のネーミング。病的な偏食の自身の不幸を嘆いた出来事でもあった。

 さて、銭湯に行ったら友人である割烹のオヤジに会った。数日前に還暦を迎えた彼だが、周囲の人達から贈られたプレゼントを聞き、湯船の中で2人で大笑いをしてきた。

 ゴルフ好きの彼、義父からは「特別誂え」という真っ赤なゴルフシューズが。子供達や姪達からは真っ赤なソックスにゴルフ用手袋を貰ったそうで、「ちょっと恥ずかしくてゴルフ場で着装する度胸はないよ」と言ったが、互いが健康に留意しようと話し合って帰宅した。

 明日は中国自動車道を走行して西に向かうが、この15日から豊中と宝塚インター間で工事による車線規制が続いており渋滞予想が。そこで少し早めに出発しようと考えている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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