2003-11-30

晩秋の悲喜こもごも    NO 621

一ヶ月振り、今年8回目となるゴルフに行ってきた。

 「紅葉は、葉の命の燃焼である。野や山が紅(くれない)に染まり、北国には雪の便り。何よりも人の恋しさが募り、過ぎ行きし歳月を想い懐かしむ晩秋」

 そんな季節の中、自身が生きている「証し」をはっきりと実感できる芝の上のラウンド。ゴルフとは、そんな人生を謳歌できるスポーツと言えるかも知れない。

 お誘いくださったのは、すぐ近所の社長さん。何度かご一緒した娘さんと3人でコースに到着すると、もう一人の同伴プレイヤーが先着していた。

 彼は、社長さんと私が所属するライオンズクラブの現幹事。パソコンや音楽に造詣深いマルチ的人物。これまでに何度かラウンドしたが、理論に培われた抜群のセンス。<何とか、いい勝負を>と内心に秘めていた。

 そんな彼だが、私は恩義を感じていることがある。

オリジナルCD「慈曲」にフューチャーされている私の作曲「逝かれし人へ」だが、初めてオーケストラで演奏された時の指揮者が彼。そのカッコいい姿を鮮やかに覚えている。

 オーケストラの譜面を「スコア」と言うが、今日の両者のゴルフスコアは今ひとつ。前半、後半で分けの勝負となったが、ミドルでワンオンという珍プレイを成し遂げたので満足している。

 後半、足の膝の裏側が痛み出し、歩きに行ったのにカートに乗りっ放し。改めて脚力のダウンを実感した。

 さて、そんな楽しい1日を過ごしたのだが、私の心の中には悲しい思いもあった。

 司会の世界で「憧れの人」であった「相川 浩」アナウンサーが、27日にご逝去されたこと。相川さんの「日本百名山」のナレーションが遺作となってしまった。

 彼がおっしゃったことで印象に残っていることがある。ナレーションは、その情景を思い浮かべ、寄り添う人に語りかけるイメージ作りが大切ということ。

 私は、彼が司会やナレーターを担当される放送を、いつも楽しみにしながら勉強していた。

時にスローテンポで語られるナレーション。あのゆっくりリズムで聴かせるテクニックは、あの方ならではのもの。

 最近の司会者の多くが、発声の度に「えー、それでは」という耳障りになる言葉を発しているが、私の言葉にそんな「接続詞」的な発声が消滅したのは相川さんの影響から。

 享年70歳であられたそうだが、NHKの歴史に残る名アナウンサー。衷心より合掌を申し上げ、ご冥福を祈念する。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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