2003-11-27
葬儀式場での盗難 NO 618
早朝、当直スタッフから電話があった。
「遠方の葬儀なのですが、お寺様を拝借されたいとのこと。何処か、お知り合いは?」
その地域には、私の知る素晴らしいお寺様がおられる。それは、まさに「ご仏縁」という言葉のように奇遇なこと。ご宗旨が異なる葬儀であったが、立派な本堂を拝借させていただくことになった。
ところが、皮肉なことに、その地域に最も近い火葬場がいっぱい。お陰で高速道路を利用しなければならない遠方の火葬場に入場されることになった。
霊柩車が長距離ドライブをすることになるが、故人には、本当のご最期のドライブとなられる筈。これも、きっとご家族には思い出になられると考えているが、渋滞だけはないようにと祈っている。
先月、遠方での葬儀。ご出棺をしてインターチェンジに到着したら、事故による規制で閉鎖。そのため1時間以上を費やして、渋滞する国道を走行するという苦い体験もあった。
弊社が加盟する日本トータライフ協会のメンバーが全国に点在するが、九州や北海道のメンバー企業を訪問すると、幹線道路のスムーズな車の流れが羨ましいし、それだけ落ち着いた式進行が可能だと考えると、大都会でご終焉を迎えられた方が気の毒だと思ってしまう。
1日に数件の葬儀を担当する大規模な葬祭式場。仮設的な薄い壁で仕切られ、隣の葬儀が丸見えというような会場で行われる葬儀。
「次の方、ご案内」という風に、ベルトコンベア式で送り出される終焉の儀式。それではあまりにも寂しすぎる。生きた「証し」や「思い出を偲ぶ」なんて環境ではない。
人の送られ方は様々だろうが、何か「処理場」のような環境には抵抗感が強い。そんな心残りは最悪だろう。
ある葬儀式場でびっくりしたことがある。大規模な葬儀が行われたのが最上階。柱が必要ないとの建築上の事情でそうなったのだろうが、ご出棺となったらエレ ベーターが大混雑。1階のお見送りに全員が揃うのに25分も費やし、これでは、どんな厳粛な式進行が行われても「しらけ」ムードに包まれる。故人、遺族、 参列者を思うと気の毒に思う体験となった。
さて、このコラム「独り言」をご訪問くださる皆様へ。
最近、葬儀が行われている場所での犯罪被害が増えているのでご用心。
黒服を身に着けていたら「こそ泥」でも紳士に見える。時には親戚に、時には葬儀の役員に、また、知能犯なら葬儀社のスタッフのように振る舞うこともあるようだ。
これからは、コートの季節。クロークのない場合、焼香所の手前にセッティングされる手荷物用の机。そこに置かれたコートも危険。くれぐれもご用心くださるように願っています。