2003-11-25

勉強してくださいよ    NO 616

興味があったので、今日、テレビで国会中継を見ていた。

 行われていたのは衆議院の予算委員会の質疑応答だが、質問者も応答者も感情丸出しで、とても文化国家という世界ではなかったように思う。

 イラクへの自衛隊派遣問題や景気回復が主な内容だったが、発言の言葉とは裏腹に、相手を「凹ませる」パフォーマンスが目立っていたような気がする。

 共産党が質問に立った際、小泉総理の答弁の冒頭で、「共産党らしい」という発言があったが、これなどは最悪のレベル。

もっとユーモアを交えて説得する弁論術を勉強して欲しいものである。

昔、ドイツで獣医が国会議員になったことがあった。彼は、国会の議事の最中に「ここは人間の世界だ」「動物の相手をしていろ」なんて、猛烈に野次られたそうだ。

 その時、彼は、野次を飛ばした相手に向かって次のように返した。

 「その通り、私は確かに獣医である。故に、後で君を診察してあげよう」

 議場が沸いたのは言うまでもないが、今日の国会への感想は、なんと言ってもお粗末のひとこと。与党と野党の対決の姿勢しか伝わらず、国民や自衛隊の隊員のことを真剣に考えているのか甚だ疑問を覚えてしまった。

 また、これまでの長年の風習かも知れないが、質問者が同じ相手を何度も呼び出すなら、答弁者の席に座っておけばいいのに思ってしまう。

自席への往復の時間や、議長の「総理大臣、小泉純一郎君」なんて呼び出しは無駄であり、合計したらかなりの時間が費やされている筈。発言席の前で苦労されている速記者も、きっとそう思っていると拝察する。

 それから、もうひとつ。感情を曝け出したら確実に品位が落ちる、それで損する議員の多いこと。テレビ中継を見ている国民は馬鹿ではない。

 歴史を遡ると、日本の国会議員にも演説の長けた人物がいた。それが誰かは書かないが、流石に「大物」という風格を感じたもの。

 もっと遡ってローマの時代。シーザー暗殺に関するブルータスとアントニオの演説が顕著ではないか。ブルータスを決して攻撃せずに大衆の心を掌握した演説力が歴史に名高い。

 国会議員の皆さん、今、日本の国は大変なのですよ。

日本テレビの問題ではないが、国会中継の視聴率が上がるような「やりとり」を期待して止まない今日この頃です。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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