2003-12-14

歴史に変化が?   NO 635

年金の負担の基となる20歳から60歳の人口と受給者人口の比率が、この約25年間で大幅に変わり、8対1から4対1なったそうだ。

 それらは、今後の25年で3対1にまで変化されると言われ、私たち団塊世代の将来年金に不安の声が強い。

 ある講演を受講した際、興味を覚えた講師発言があった。それは、私が中学生の時代、65歳以上の夫婦のみという世帯が7パーセントで、それが2000年に30パーセントになったということだった。

 近年に高齢化社会という言葉が目立つようになったが、「化」という過程の時代が10年前に終わり、今や世界を代表する完全な高齢国となったわけである。

 「産めよ増やせよ」という懐かしい時代のスローガンがあったが、もう4人家族さえ、モデルケースの対象にならない社会みたい。

 最近、自分の葬儀を考えようというNPO活動などが活発になっている。

これらは、「非日常的」だったことを、誰にも訪れる「日常的」な観点での捉え方に進展したからと思われがちだが、決してそうではなく、その背景には、親の葬儀に対する子供の考え方の変化や、少子化による負担の増加も原因していると言えるだろう。 

 葬祭業界のビジネス戦略に目立つのが「価格破壊型」。「家族葬」というような美しい表記で宣伝をしているが、<受注さえ出来たら>の思惑が見え見えで、それらは、パンフに謳った金額が最低の基本額であったことに依頼者側が気付かされる結果を見れば明らかだろう。

 葬儀は、人生終焉の大切な儀式で「命の伝達式」というのが私の哲学。無駄な経費はそれこそ「死に金」となるが、意義が生まれて「生き金」となることを願っている。

 ある講演を担当して質疑応答に入ったとき、安いパック葬儀で伴侶を送られた奥さんが後悔の思いを語られた時、その言葉の中に説得力のある明言があったので紹介申し上げる。

 「主人の最期を送る葬儀、それが『処理されたような』思いです」

 この言葉には重い意味が込められている。こんな言葉が我々の同業者に対して返されたことに衝撃を受けたが、失礼だが、私は、次のような反論的な答弁をしてしまった。

「確かに業者が悪いが、選んだあなたの責任もあるかも知れませんね?」

果たして、送られたご主人は、どのように思っておられるのだろうか? あの世からの通信物が届けば、この世はきっと素晴らしいだろうが、残念ながら無理なこと。恐山のイタコの後継存続の社会背景が見える。

 この原稿は、新幹線の中で打った。発信は、深夜のホテル。テレビニュースでフセイン大統領のことを報じている。ホテルの最上階で10数人のメンバーと飲んでいると、誰かが、「早く東京を離れた方がいいかも知れない」と発言し、みんな、一瞬固まった。

 中東問題が悪い方向に向かわないことを願っている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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