2004-08-25

葬儀の裏側で   NO 893


 九州から協会の支局長が来社、隠れ家で今後の葬祭サービスのありかたについて熱く語り合った。

 彼は、日帰り。私よりも少し若いが、互いに孫の話となると好々爺。健康に留意しようと見送った。

 夕方からお寺様のご内室のお通夜に行った。担当責任者が動き回っている。事情を確認してみると、息子さんのお寺の境内に池があり、そこに咲く蓮の花が届けられたそう。

 数輪をお柩に納め、残ったものを青竹の器に活けていた。

定刻の15分前から8人の奏楽、音合わせである「音取(ねとり)」から盤渉調(ばんしきちょう)の「越天楽」の献奏が奉じられた。

 ご導師が入場される頃にはご本堂は満席。その内の50人以上がお寺さん。やはりこれだけのご人数での読経となれば迫力があり、独特の雰囲気が。

 室内のコーナーに音響設備をセッティングしたが、ご読経の調子に合わせて音量調整が大変。こんな厳粛な場でハウリングなんて発生したらとんでもないこと。緊張しながらレバーを『重く』動かしていた。

 仏説阿弥陀経から焼香が始まり、本堂内におられた方々が回し焼香。全員が終えられた頃からご詠歌が始まった。

 多くのお寺の奥様方が参列され「和讃」をご唱和、私の好きな曲だったので、一緒に唱え奉るひとときを過ごす。

 ご回向の結びに導師をつとめられた法類ご代表がご挨拶、故人の辛い闘病生活を語られた。

 スタッフ達が創作していた草履用の整理アイテムが功を奏したようで、履き間違いがなかったみたいでホッとする。

 ご祭壇はシンプルで上品なイメージ。「お寺」というコンセプトの中にさりげない「女性らしさ」もアクセントに。ご弔問の方々にも好評だった。

 病院での連日のご看護から、ご遺族の皆さんのお疲れが心配。享年66歳という齢、幼いお孫さん達の存在が涙を誘う。

 明日の葬儀、檀家総代さんの弔辞もある。ちょっとタイムスケジュールに無理もあるが、何より厳粛に担当しなければ。

 お柩に納められた故人のお顔が美しかった。辛くて厳しい闘病生活が信じられないぐらい。そこでミス・ホスピタリティに確認したら、「3回、お化粧をさせていただきました」と教えてくれた。

 彼女、全国各地で研鑽した特殊な美粧術を学んでおり、こんなかたちで役立っている。それらはサービスの裏側に秘められた世界だが、「女性はいつも美しくありたいものです」と言い切って勉強に取り組んだことが実ったよう。

 まだまだこれから厳しい研鑽が求められるだろうが、今日は「ご苦労さん」とやさしく声を掛けた。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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