2012-11-06

いい日旅立ち  NO 3097


「旅」と「放浪」とはどのように違うのだろうかという記述があった。前者は戻る家があるから楽しいもので、後者はホームレスみたいな環境だと分析されていた。

 中学生時代に読んだ松尾芭蕉の「奥の細道」は前者だが、山下清画伯や種田山頭火という人物は後者ということになるのだろうか。

 松尾芭蕉が生涯を閉じた場所は大阪の御堂筋にある真宗大谷派の難波別院「南御堂」のすぐ近くだが、その境内に辞世の句となった「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」の句碑が存在している。

  JR大阪環状線「寺田町」駅のホームの広告に歌手の谷村新司さんの写真があり、新幹線のグリーン車内で撮影された「ノリノリきっぷ」という企画に目が留 まった。「こころの先の、旅先へ」のキャッチコピーで、JR西日本が販売する平日2日間「乗り放題」というもので、グリーン車「20000円」で4回の指 定席が利用出来、60歳以上を含む2名以上からOKという信じられないほど「得」な提案だった。

 新大阪から博多まで「のぞみ」のグリーン車を利用すれば、通常なら片道で「21190円」なのだから嘘みたいな話。山陰から山口県の観光地まで幅広く利用出来るので旅行を企画するのもよいだろう。

 この企画をグリーン車ではない普通車なら「18000円」ということで、誰もがグリーン車の選択をされるだろうが、東海道新幹線と山陽新幹線の乗客数の差異がこんなかたちに顕著な感じを抱いている。

 新大阪と博多間のグリーン料金は片道「6300円」なので、上述の「2000円」の提案がいよいよ信じられない企画と思えてしまうのである。

  昔、300系が登場して「のぞみ」が走り始めた頃、新大阪と博多間は2時間35分だった。それまでは石坂浩二さんがテレビCMの起用されていた「グランド ひかり」の2時間49分だったし、最高速度300キロを話題として航空機を髣髴させる500系が2時間19分で走行していたが、当時からすると現在の 700系の静かさや揺れの少なさは素晴らしい進化だと感じられる。

 2階建て車両が4両連結された「グランドひかり」が好きだったが、特にレストラン・カーが魅力で、何十回も利用したので懐かしい限りである。

  国内で食堂車が存在しているのは「トワイライト・エクスプレス」「北斗星」「カシオペア」という寝台列車のみになってしまって寂しいが、熊本県の新八代か ら南へ向かう「肥薩オレンジ鉄道」に食堂を売り物にする列車が走るそうで、死ぬまでに一回は利用してみたいと思っている。

 人生という名の旅の終着駅は「死」となるが、何度か書いた「たい」という欲望で「この世」に執着している内は生かされている証。芭蕉の辞世の句を思い浮かべながら、これからの余生を真剣に考えるこの頃である。

 今日の写真は、弊社で行われたハーモニカ・コンサートのひとこま。来場者から「もう一度開催して」というお声を頂戴して開催したこともあった。

 そうそう、上述の「谷村新司」さんの小学生時代は東住吉区の桑津町で過ごされ、我が家から歩いても10分も掛からない地域だったことを書いておこう。
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