2011-10-06

惜しまれる人に  NO 2715


  今日の毎日新聞朝刊の記事に、大阪に川のない区が二つあり、それが上町台地に在する阿倍野区と天王寺区とあった。川がないのに阿部野橋という橋の存在があ るが、それはJR大和路線の陸橋から呼ばれたそうで、今、その阿部野橋に西日本最高となる300メートルを超えるビルの建設中だ。

 そん な我が大阪の知事選、市長選問題がいよいよややこしくなってきた。橋下知事が都構想を掲げて市長に鞍替えするのが発端だが、私は「構想」から「高層」とい う問題が離れず、85億円も支出して埋立地にある高層ビルを買い取り、府庁の移転に向かって行動を決断されたからである。

 防災研究専門家である関西大学や名古屋大学の教授の意見から、津波やビルの揺れによる倒壊の危険性まで指摘され、3月11日の大震災で甚大な被害が発生して35億円もの工事費を要したた庁舎。そこで勤務される人達が今でも2000名もおられるのだから考えられないこと。

 過去にそのことについて、高所恐怖症の私なら勤務出来ないと書いたが、専門家の厳しい指摘から庁舎の全面的移転を断念した知事だが、購入前にこんな調査を行うべきで、府民の浄財を費やした責任は重いと言えるだろう。

  ただ全てが彼の責任とするには気の毒な部分もある。調査をしなかったことはミスだが、建設した当時の大阪市長にも大きな責任があるだろう。確かオリンピッ ク招致で莫大な無駄を発生させてくれた人物だったが、誰も利用しない埋立地にトンネルを掘ったことでも知られており、津波となれば間違いなく水没する危険 性が高い筈。

さて知事選候補には「NO 2712」で触れた4名の方々の他に、東京都副知事の猪瀬氏や読売テレビの辛坊氏の名前まで流れ ていたが、大きな「府」の財産が「負」の財産になるので誰も受けたくはなく、「僕の心の中には皆さんが驚く人がおり、決まっています」と発言していた知事 の無責任さが表面化。ビル買取問題に賛同の姿勢を表明し、現在「維新の会」幹事長になっている松井氏が知事候補として挙がってきたのも驚きである。

  これまで知事に対する批判的なことを書いてきたが、彼が嫌いや憎いというものではなく、我が大阪を愛しているからこそであり、私が怖いのは、ガキ大将的な 彼が軽い思いつきで行動し、それが叶わなくなると駄々っ子のように「出来ないなら辞める」という光景が浮かんできてしまうからなのである。

 ファシズムならぬハシズムという言葉まで出てきた最近だが、よい方向への改革、変革
は大賛成だが、弁護士という立場もお持ちなのだから、もう少し周囲を納得に至らせる説得力を勉強される必要があると、敢えて苦言を呈するところである。

  今日は、政治のドンの一人である小沢氏の公判が開かれた日。検察批判や法曹界、マスメディアに対する強い抵抗感が表面化したようだが、3人の秘書が逮捕さ れるような容疑が掛けられただけでも重い責任問題が絡む筈。土地購入資金に対して、原資が二転三転するなんて信じろという方がおかしいではないか。どんな 判決に至るのか、傍聴券を求める人達が2千人を超えたという関心が高い裁判、国民が厳しい目で見つめていることだけは知って欲しいもの。

 今日のニュース番組で、莫大な国費で海外視察に出掛ける国会議員のことが採り上げられていた。現地では大使館員達が秘書や案内人のような接待まで担当する実態も暴露され、過去にも豪遊する議員達が週刊誌に撮影されて物議を醸した事件もあった。

 番組内でコメンテーターを担当されていた古賀氏の「予算を余らせないことから」なんて解説を耳にしたが、こんな議員連中に浄財を費やされてどうするの?と、それこそ改革急務というところではないだろうか。

結 びに絶対に書かなければならないこと、それは、スティーブ・ジョブズ氏のご逝去。こんな私のようなアナログ人間が「独り言」を発信出来るのも彼のお陰。 「ハングリーであれ。愚かであれ」など数々の名言も残されているが、多くの特許を取得することなく開放された考え方なども素晴らしい人格。アメリカの ニュースで「エジソンでディズニーでダビンチだった」というアナウンサーの言葉が印象的に物語っており、その偉大なご生涯に拍手を贈り手を合わす。
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