2006-04-22

あなたも陪審員に?  NO 1482


 塾生達のブログで「相田みつを」さんや「金子みすず」さんの詩が引用されたり話題になっているが、平成21年にスタートされる『裁判員制度』の広報に「相田みつを」さんの詩が登場していたのでびっくりした。

  法務省、最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁が発行しているところから「公報」と呼べるかもしれないが、「その時 自分ならば どうする みつを」という 独特の字体が目に入り、その下に「私の視点、私の感覚、私の言葉で参加します」とあり「字体」で大問題という「事態」そのままを物語っているようで、指名 されたら「辞退」出来ないという制度らしく、この企画に中々のセンスを感じた。

 アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、イタリアなどで 導入されている制度だそうだが、20歳以上の選挙人名簿を元にくじ引きなどで誰が指名されるか分からず、辞退できる条件は70歳以上、学生、重い病気や怪 我、同居親族の介護・養育、事業に著しい損害が生じる恐れがある場合などとなっている。

 アメリカの映画やドラマで目にする陪審員制度の日本版だが、事件関係者や一定の前科がある人物以外は全て指名されるパーセンテージがあり、始まったら間違いなく社会でセンセーショナルを巻き起こすだろうと予想する。

 社会の犯罪も様変わりしているよう。今日も奈良県の「騒音オバサン」の判決が話題になっていたが、想像もしなかった事件が次々に発生、それに伴い遅過ぎる時間を経て新しい法律が出来る。そんなイタチゴッコが永遠に続くのが人間界らしいと言うべきか。

 ある精神科医が、悲しみは身体の「肺」に強烈な痛みを及ぼすと語っていたが、「死」の訪れがあることを知る人間にとって、それが他の動物と異なる崇高な部分と理解したいもの。

 これまでに何度も書いたが「来世」の存在観が薄らぎつつあり、ひょっとしたら「死語」となるかも。「死後」だからそれでいいなんて人もいるかもしれないが、来世の存在に夢を託して死を迎えることは死に様、生き様として立派なことだと信じる。

 被害者になるな、加害者になるなが口癖の私、皆さんに「陪審員になっても被害者と加害者にはならないで」と伝えたい。裁判とは残念な世界、それは人間の愚かさが作らざるを得なかった制度。

 1479号で登場いただいた「閻魔さん」だが、閻魔さんとは第一号人間で最初に死を迎えた人間だとも言われている。だから人間の心が理解できるところから「あの世」の裁判官として35日を担当しているそうだ。

 初七日から三回忌まで10回の裁判があると言われる「あの世」だが、元々初七日担当だった閻魔さん、情状酌量ばかりで問題になり35日の担当に変更されたという説もあるから面白い。

  最近、愚書「あの世の旅」の問い合わせが多い。そんなあの世の物語りに興味を抱かれる人が増えたのだろうか。内容は随分昔の私の思い、今とはコロッと考え 方が異なることも書いてしまっているが、来世の存在を信じたい心情は変わっていない。あれから間違いなく閻魔さんの仕事が増え、きっと嘆いておられる筈。 前世の行いを映し出すビデオみたいな装置もDVDに進化しているような気がしている。
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