2015-01-04

函館のこと  NO 4063

石川啄木の作品の中に「ぢっと手を見る」という言葉があったが、大病を患ってから掌を見ると、年々に齢を感じる度合いが強くなって来ているようだ。

昨年の春に香川県の仏生寺に参拝したが、昼食に立ち寄ったのが栗林公園内にある「掬月亭」で、数寄屋造りの匠が造り上げた見事な建設物だったが、禅の世界にある「水を掬すれば月手に在り」という言葉を思い出した。

ちょっと視線を変えるだけで180度見えるものが変化するし、世の中の広さや大きさを学んで自身の未熟さや小さな存在であることを学ぶが、人柄、人望の条件としてそんな謙虚さがなくては絶対に無理だろう。

宮沢賢治に大きな影響を与えたとも言われている石川啄木だが、函館にも深いゆかりがあり、湯の川温泉には「啄木亭」という旅館もあるし、函館空港とJR函館駅の中間に「石川啄木記念館」というテーマパークが15年ほど前に開設されており、函館市内にはあちこちに歌碑の存在もある。

長崎、神戸と言えば海と山が接近し、坂道が多いことでも知られるが、函館も坂の多い街で、高台の方へ行くと遠い昔に建設された建物や教会を目にすることが出来る。

何度か函館の街を散策したことがあるが、2年前の秋に行った時は夜景の美しい函館山で、ロープウェイが長蛇の列。寒い中を1時間はと覚悟をしていたら、利用していたタクシーの運転手さんがスタッフの方と交渉され、杖を手にする障害者ということで優先させて貰ったので有り難かった。

振り返ってみると、函館山には3回上ったことになるが、不思議と寒い時期ばかり。九州の同業者と行った時は夜景よりも寒さが厳しくて震えたことを憶えている。

2人で空港に到着し、迎えに来てくれていた同業者の人物にお願いしたのは「何処か大規模なスーパーマーケットに連れて行って欲しい」ということだった。我々2人の思いは同じで。その時期がそんな寒いとは想像もしておらず、あまりの冷え込みに堪らず温かい着替えを購入したかったからである。

その時に宿泊したのが湯の川温泉の「竹葉新葉亭」で、同業者と料理長が深いご仏縁があったので紹介して貰ったという事情があった。

そんな「竹葉新葉亭」も3回お世話になりお気に入りの和風旅館となっているが、昨年の秋にHPが開設された水引アートの函館「清雅舎」の函館便りのページにその旅館がリンクされていた。

今日の写真は「竹葉新葉亭」の大浴場を。
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