2007-08-15

争いとは愚かなり  NO 1945


 銭湯から帰宅すると日付が変わり、終戦の日となっていた。夕方のテレビニュースで、大阪城近くにあるJR大阪環状線「京橋駅」で毎年14日に行われている慰霊式典の光景を目にしたが、それは終戦前日に飛来した爆撃機の攻撃で600名もの犠牲者が出た出来事。

 1日早く降伏宣言が出されておれば喪うことのなかった命となるが、そんな考えで日をずっと遡って行けば戦争を起こさないことが不幸を生まない「幸福」の原点であることに気付くだろう。

 手元に終戦の日の毎日新聞の一面記事があるが、そこにある次のような見出しがあった。

『時局収拾に畏き詔書を賜ふ』『四国宣言を受諾す』『新爆弾の惨害測るべからず』『聖断拝し大東亜戦争を終結』『一億団結・皇国再建へ新発足』『ただ民草を慈み給ふ』『聖温宏大、感激の極み』『過去を肝に銘じ前途を見よ』

 トップ記事の横に枠に囲まれた「掲載されているが、欄外に「スイス、瑞典を仲介に提案」という記事もあった。

 この年のブームは「闇市」「青空市場」「輪タク」で、「一億総ざんげ」「四等国」「真相はこうだ」「たけのこ生活」だった。

 まだこの世に生まれていなかった私だが、3歳の頃に覚えて歌っていた「リンゴの歌」が誕生やラジオで「紅白音楽試合」が始まったのもこの年で、「合戦」という言葉がGHQから禁じられていたという記事を読んだ記憶もある。

「二度と戦争をするな!」と誰もが思っているだろうが、テレビに出てきた我が国の防衛大臣の表情を見て情けない思い。何を芸能人みたいに勘違いしているのだろうかと腹立たしくなった。

 最近の政治家のパフォーマンスに醜い思い。危険な隣国の存在を考えるとこれでは将来は期待できないだろう。

終 戦から62年、我が日本国民が犯す事件のレベルも信じられないほど情けない。「オレオレ詐欺」に「ひったくり」など卑劣なヤカラのオンパレード。ゴルフの 「ホールインワンワン」保険の搾取や偽の退職手続きでハロー・ワークから失業給付金を搾取したなど罰当たりな連中があまりにも多過ぎ、学徒出陣や特攻で犠 牲となった人達の存在を思うと悲しくなる。

 戦争と宗教は、間違いなく人を変えてしまう。イスラム圏の争いに終止符を打つ日は来ないと断言するし、宗教観の稀薄する中国の「ニセモノ」問題もずっと続くことだろう。

  韓国で起きた観覧車の事故も衝撃だったし、ソ連で発生したテロによる列車事故も恐ろしい。日本中のエスカレーターで、ある所の一つの部分だけが欠けてお り、そこに巻き込まれて足の指を切断された不幸な人もあったが、天災、人災を問わず、何度も書くように、今日あることは信じられないほど幸運だと考えて欲 しいもの。

 この世に生を享けた私、何かのえにしで「葬儀」という仕事に従事して今日に至る。悲しみを迎えられた不幸な人達に、少しでも 「不幸でないひととき」を与えたいと思って仕事を続けてきた。それがこれまでの歴史の数奇な出来事からいつしか「天職」と悟るようになったが、そう気付い た時にはあまり残された時間が多くはないような感じがする。

 終戦の日、この仕事にある一人として、また観点を変えて「死」「と「命」について考えてみようと思っている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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