2013-03-31

サービスの話  NO 3237


  前号で種明かししたクイズの答えだが、「幸せ列車」で確認をした友人がメールをくれた。お寺の息子さんの結婚披露宴で行われる「ケーキ入刀」に関するアイ デア、一体誰が思い付いたのだという質問だったが、私自身も何度か体験したことがあってもそれは分からず、提供をされていた和菓子店で確認をしてくれと返 信しておいた。

 また、過去に書いた「幸せ列車」の結婚披露宴に関する「新郎の父の謝辞」だが、参考になったというメールが数件届き、こんな情報提供が喜ばれるものだと嬉しく思った。

  さて、東日本大震災が発生した際、東京ディズニーランドが来園していた人達に対して行動したことが賛辞されていたが、その背景に「想定外」ではなく「想定 内」だったとこの「独り言」に書いたが、マニュアルの中に飛行機が園内に墜落事故が発生した想定まであると書かれていたことを知って驚いた。

 ここの発想は独特のもので、「迷子」ではなく「迷親」と考えることや、ゴミを「夢の欠片」と捉えることもユニークな発想で、洗面所に鏡が少ないのは現実を感じさせない仕掛けであり、それらは園内に時計が見当たらないことにも通じている。

 そこには究極のホスピタリティ的発想が秘められており、「サービスを提供することは、サービスを受ける側よりもハイレベルな喜びがある」という分析もされていた。

 サービスの世界には心理学を応用されたケースも多く、人気のアトラクションに行列するのに敢えて折り返しをするようなセッティングがされているのは、間違いなく進んでいることを印象付ける仕掛けが秘められているということになる。

 30数年前にロスアンゼルス近郊にあるディズニーランドに行ったことがあるが、そこでアメリカという国の凄い一面を目にして今の中国の人達に教えたい思いを抱いている。

 人気のアトラクションに100メートル以上の行列が出来ていたが、20人ぐらい毎に1メートルぐらいの隙間が自然に出来ており、それは横切る人達に対するマナーだと知って感心した体験となった。

 東京ディズニーランドに幼い初孫を伴って行った際、ホテルで素晴らしい対応を受けたことがあり、これは、あの大震災の時にスタッフ達の判断で賛辞に至った行動に相通じることのようだと印象に残っている。

  それは、冷え込みの厳しい時期の出来事だった。余りにも寒くて風邪の兆候を感じたところから、妻に娘と孫を託して午後6時頃に独りで先にホテルへ戻ったの だが、やっと帰って来たのはそれから2時間後。空腹で待ちかねていたこともあり、すぐにバイキングのレストランに行ったのだが、受付担当の女性スタッフか ら「30分ぐらいしか時間がございませんが」と言われて「承知しています」と返して急いで食事を始める慌ただしい環境となった。

 これで食事をしなかったらルームサービスでも依頼しなければと覚悟して行ったものだが、何とか夕食という感じに至ったので気分的にも落ち着き、入り口でサインをしようとしていると、受付時の女性スタッフが意外な提案をしてくれて感動した。

「皆様は短いお時間でのお食事となり大変申し訳なく思っております。そこで、午後9時からの夜食バイキングにご招待申し上げますのでごゆっくりとお過ごしください」

 部屋に戻って入浴を済ませてからバイキングレストランに行ったら、彼女が笑顔で対応してくれ、焼きそばや焼き飯などを食べて幸せなひとときとなったことから、総支配人宛にメッセージを託してチェックアウトした出来事だった。
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