2004-02-06

感心したこと   NO 692

女性スタッフ二人を伴って、他府県で行われた通夜に行ってきた。

 昨夜に掛かってきた電話が司会の依頼、それは絶対にミスが許されない世界の仕事。誰も代行者が見つからず私が担当することになった。

 電車で行く予定だったが「制服の上に私服のコートを着るのは抵抗感が」と言うことや、少しの手荷物があるところから早めに車で出発することにした。

 事務所を出る前、彼女達に言い聞かせておいたことがある。それは、彼女達が初めて体験する世界のこと。お客様の大半が所謂「組関係」、互いの動きで視線を送り合う際の注意点などを教えておいた。

 幸いなことに高速道路が順調に流れ、開式の2時間前に到着したが、もう多くの人が整列されてお出迎え。とても近くに行けない雰囲気から手前で降車する。

 すぐに司会台に向かい音響システムのチェックに入り、それが済むと故人の情報を入手する仕事を始めた。

 前もってファクシミリで頂戴していた資料だが、故人名、年齢、喪主さん、指名焼香者、お寺さんの確認を進めると、喪主さんのお名前から女性と思い込んでいたのが息子さんと分かり大発見で安堵。

 次に、トップに焼香される方のお名前が何通りにも読める。何方に伺っても異なる答え。これで間違いがあれば私の責任、そこで大幹部らしい人に教えて貰った。

 この世界の方々は、驚くほど早い時間から参列される。開式の30分前には椅子席が満席。席への誘導や接待の姿が流石にうまく、独特のホスピタリティが大いに参考になるほど。

 そんな時「駐車場で問題が発生、車を呼び出して欲しい」と言われた。メモ書きされた車が10台ほど、高級車ばかりで関東や九州ナンバーもあり全国から参列されていることが分かる。

 やがて、定刻に本番が始まる。会場空間を儀式空間に神変させる「奉儀」がスタート。彼女達から緊張が伝わるが、意外に落ち着いており予想外の出来。ここでホッとしながら後半のナレーションに入る

 導師法中が入場され勤行が始まり、すべてが予定通りで終えられることになった。

  今回で感心したことがあった。それは、この世界の人たちが葬送という場での礼節に厳しいということ。開式の始まる30分前頃から携帯電話の着信音なんて一 回もなく、一般の方々も見習って欲しいと思ったし、皆さんの数珠の持ち方がスマートと言うかカッコよく、それは、女性スタッフも同意見。帰路の車中でそん な話題で感心し合った。

 そうそう、今回は、めったにしないことをさせられることになった。それは、参列者への挨拶代行。一般的な形式とは異なる言葉遣いで担当。「それらしきイメージでしたね」と彼女達に冷やかされる。

 故人は、私より3歳若い方。それだけに皆さんの惜しまれる弔意が強く感じられたが、とても静かな御通夜であった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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