2004-02-03

しごと   NO 689

 葬儀を担当して事務所に戻ると「巻き寿し」がいっぱい届けられていた。誰が流行らせたのかは知らないが、今日は「巻き寿し」丸かじりの日。恵方を向いて食べたら無病息災というご利益があるそうだ。

 帰路、商店街を歩くと、あちこちの店に「巻き寿し」が詰まれている。中には「完売」という店もあったが、数件の顔見知りの店で売り込まれた。

 夜、知人と食事をして帰宅途中、コンビニの前で経営者のオヤジさんが立っている。横を見るとここにも「巻き寿し」の山。「義理を承知で買ってよ」と頼まれたが無理な話、逃げるようにして帰ってきた。

 さて、今日は、大阪城ホールで大学生向けの就職に関するイベントが開催されたとのこと。学生にとっての就職戦線は厳しいようで、6割ぐらいしか内定していないという。

弊社のような会社にも資料請求が来るし、メールで来年の募集についての問い合わせまで入っている。

 このイベントの中にセミナーがあった。その講師がテレビの取材で語っていたが、就職活動での3つのテーマとして次のことを提案されていた。

 『自分を知りなさい』
 『社会を知りなさい』
 『落ちても落ち込まないように』

 時代の流れの中で自分を見失う人が増えているよう。「自身の長所と短所を完全に理解できることは死ぬまで無理なこと」と、ある宗教者が説いておられたが、学生から社会人への一歩目を踏み出す就職も「えにし」という言葉が当て嵌まるような気がしてならない。

 同僚、先輩、上司、取引先などから恋人との出会いまで考えると、それらは不思議な「えにし」がある筈。そこで将来に生まれるであろう子供や孫まで影響するだろうし、人が人との出会いによって一生を左右されることになることを学ぶもの。

 しかし、その答えを確実に得るのは人生黄昏を迎えてからの臨終時かも知れない。

 「人は、ある理由のためにこの世に生まれ、ある理由のためにこの世を去る。それは、与えられた時が尽きたのかも知れないが・・・」

 私のナレーションの中にそんなフレーズがあるが、「生まれるって」「生きるって」「命って」なんて考えると、中途半端な気持ちで職業を選ぶべきではないだろう。

 この世を去られた偉大な先人達に共通していることは「生き甲斐」「遣り甲斐」のある仕事との出会い。

 葬祭業は立派な仕事である。それは、ホテルマン以上にホスピタリティが求められるかで、その「仕事」とは「死事」なのである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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