2004-08-16

宿題が?   NO 884


 ご自宅での葬儀は、参列者の誘導に神経を遣う。石畳、臨時の踏み台など、お年寄りの方のエスコートが重要で、それだけスタッフの増員が必要となってくる。

 お寺様の控え室はご近所の大きなお家。距離で150メートルも離れている。委員長さんと喪主さんを伴ってご挨拶に参上したが、入り口から庭を通って控え室までの距離が長くてびっくりする。

 逆算して時間を計測したら、控え室から式場入り口まで4分を要することが分かり、開式の5分前に「ご案内を」と命じた。

 時間調整のコメントを入れるが、外の情景が全く見えない室内での司会。側に付けたスタッフのインカム情報しか頼るものがない。そこで「ただいま、お控え室をご出立」というコメントまで入れることになった。

 お好きだった花に飾られたご祭壇、そこに上品そうなご遺影が。ご遺族から伺った思い出話でナレーションを創作したが、何かニコッと微笑まれた感じがした。

 明日は「友引」だと安堵していたが、過去に担当させていただいたお客様の葬儀があり、夕方からお通夜の式場に向かった。

 故人は大正生まれの女性で11人ご兄弟。それだけでご親戚が大変な人数だろうと覚悟する。

 ご当家担当責任者は、何度か「独り言」に登場した近鉄ファンである。故人がタイガースのファンだと知って親近感が生まれたそう。「それで張り切っていたのか?」と嫌味を言ってしまった。

 祭壇横にセッティングされている筈のモニターがない。お客様のご要望で追憶ビデオを割愛されたそうだが、彼から「何かやってください」と頼まれた。

 「何をして欲しい?」と聞き出すと、「お寺様が入る前にシーンとなるように」と返ってきた。そこで静寂を目的とする司式バージョンを行った。

 通夜が終わった後、「歩けなくなりました」と接待スタッフの感想。あまりにも静かになり過ぎて靴音が響くから。

 明日の式場は風雨の問題がないところ。参列者全員にエアコンの恩恵が。だから落ち着いた空間になるだろう。

 事務所に戻ると嬉しいお土産がスタッフから。北海道に行っていたそうで、過去ログにある孫の大好物「じゃがポックル」を買ってきてくれており、「アメリカへ送ってあげてください」と。

 今からメールの返信をしなければならないが、持病の目がお疲れモードで困っている。取り急ぎシナリオ創作だけで終わってしまうかも。

 返信の相手が普通の方ではない。非常に神経を遣う人。だから数日後にと考えている。もしも「独り言」をご笑覧の場合、なにとぞご海容をくださいますよう。
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