2004-08-14

真夏の怪  NO 882

 厳しい残暑の中、多くの会葬者が参列された葬儀。2名の弔辞があり、ご家族からのメッセージと追憶ビデオのナレーション、そして喪主さんがしたためられた「父への想い」を代読させていただいたが、何とか時間通りに式次第が進められた。

 お年寄りの会葬が多かったが、幸いにして熱中症になった方はおられなくホッとする。

 事務所に戻るとスタッフがパニック状態。数件の葬儀がバッティングしており、その内の一件が遠方。取り敢えず2件の司会を私が担当しなければならないが、渋滞があれば大変なことに。

 休日予定のスタッフとお盆で里帰り中のスタッフにも連絡、気の毒だが緊急召集を命じることに。同時にプロジェクトスタッフの仕事もお盆休みになってしまった。

 毎年、このお盆の時期は大変だ。今夏に初盆を迎えられるお客様もあり、そのお手伝いにも追われていた。

 しかし、大切な家族を亡くされた方に「忙しい」なんて禁句。その素振りを見せないのがプロの仕事だが、限られた時間との勝負。そこで最大限の手作りの仕事をプレゼントしたいと努力している。

 午後からファクシミリに供花の申し込みが次々に入るが、ご当家とはまだ打ち合わせの最中? ご訃報通知で時間が知れ渡ったことからこんな現象が起きる。

 5回線の専用電話も鳴りっ放し。その大半が供花のご依頼。社名、肩書き、ご芳名を伺うが、人の名前は難しい。パソコンみたいに押せば漢字が出てくるものではない。言葉でのやりとりに「偏と旁」の基本も重要。葬儀社とは国語力も求められる

  過日に法隆寺の「隆」の文字で問題が。「生」の上に「一」が入るお名前で、姓名判断の画数で変更されたとのこと。地域で有名な方、どの名簿にもお名前が登 場するが、名簿を信じたスタッフの勝手な思い込み。すぐに変更出来て事なきを得たが、パソコンに頼っていると恐ろしい。

 さて、最近の新聞の訃報記事に「住所は非公開」という表記が増えた。これらはプライバシーの優先ということだろうが、我々葬儀社の会葬礼状も住所明記に神経を遣わなければならない時代。

 核家族が増え、故人と喪主さんの住所が異なるケースが多く、「ご住所は?」と確認すると「記載しないで」ということが大半となってきた。

 ある葬儀で他府県に居住される喪主さんの住所が記載された。香典辞退をされた葬儀だったのに、葬儀が終わった二日後に香典返し、仏壇、墓地、墓石のセールスマンがやってきたとのこと。

 お客様に関するプライバシー秘匿遵守もプロの基本だが、名簿流出の話題が多い昨今、こんな情報がどこから流れるのか? まるでミステリーのような思いを抱いている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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