2004-10-10
慈曲葬ハプニング NO 938
午前中に行われた葬儀の司会を担当し、火葬場まで随行したが、女性職員から「お久し振りです」と声を掛けられた。
先月から今月、体調不良で火葬場までお見送りすることが少なく、社員達からどうも病気説が伝えられていたようで、知らない内に病状が独り歩きを始めていてびっくりする。
「引退でもしようかな?」と返すと、「生涯現役の姿をいつまでも」とエールを頂戴した。
私は火葬場の職員達から「変なオジサン」と見られていた歴史がある。数百社の葬儀社が入場する火葬場、そこで「最もやさしくて緊張する人」というおかしなネーミングが付けられていた。
人生終焉の大切な場所で礼節を欠くこと、また、事務的に処理するような姿勢があれば、紳士的に、そして強烈に責任者を説得したこともあり、現在の大阪市立瓜破斎場の炉前に設置されている「写真立て」と「お別れ用の踏み台」は、私がトップとの交渉で備わったものらしい。
さて、今日のお通夜にタクシーで式場へ。無宗教形式による「前夜式」だが、女性スタッフ2人をミキサーにして進行を始めた中、とんでもないハプニングが。
創作したシナリオの1ページ分がコピーされておらず、「追憶のひととき」の映像部分5分をアドリブで進めることに。
ミキサー2人が変な顔で見詰め合っている。<おかしい!?>と気付いたのは当たり前だが、ハプニングをハプニングでないように解決するのがプロの仕事。日頃にそんな哲学を叩き込んであり、まったくあわてる様子がなかったので成長したよう。
私の横で仕事をしながらハプニングに遭遇するのは体験として幸運なことかも?
今日の式場は、不思議とハプニングの発生率が最も高いところ。<何か起こらないかな?>と思っていたが、まさかシナリオが飛んでいるとは予想もしなかった。
でも、ご心配なく。映像のエンディングにぴったり合致。参列された方々はどなたも<おかしい?>なんて感じることは全くない。
帰宅してから原因を調べたら、飛んでいた部分は明日の献花式のシナリオに紛れていた。どうやらパソコンの貼り付け作業でページを誤ったよう。
明日、朝から原稿の打ち直し。今日の参列者の表情から、ある新しい発想が思い浮かび、それを「かたち」として表現したい。
受付でスタッフ達が創作した式次第が手渡されている。その中に「総合プロデューサー・司式」として私の姓名が記載されている。
こんな表記をする葬儀社は、おそらく弊社だけだろうが、「慈曲葬って、感動した」というお言葉が多かったし、「予約したいわ」というご冗談も飛び出していた。
閉式後、カメラや携帯電話を持たれた方々がご祭壇前に集まっておられる。撮影の一番人気は「星名国際登録証」で、式次第の中で行われた奉呈式にご興味を抱かれたみたい。
慈曲葬とは、音楽は勿論のこと、式次第のすべてが「癒し」と「慰め」で創作され、「命の伝達」がコンセプトされている。そんな式場空間が、みなさんから「不思議な体感」として「口コミ」で広まってきている。