2004-10-07

葬儀の音楽   NO 935


 新快速で神戸を往復、ホテルで打ち合わせを行ってきたのだが携帯電話の電波が悪い。何度か掛かってきた際にウロウロ、大変な苦労を強いられた。

 さて、昨日マドンナさんが来社された時、「この隠れ家がなくなるのですね」というお言葉があった。

何人もの協会メンバー達を迎えた部屋、そこでどんな会話を交わしたかを鮮明に覚えているが、レッスンした方々の当時の技術力もはっきりと記憶している。

 多くの取材も受けたし、ホテル関係者の来訪も数多くあった。その中に「総支配人」という肩書きの方も数人おられたが、それぞれのホテルが質の高い仏事サービスを提供されている事実も嬉しいところだ。

 隠れ家は「内緒話」に最適な部屋、ここで日本の業界を動かすような会議も何度か行われたが、最も多かったのは司会のレッスン。中でもブライダルから転出希望をされる方が増える傾向が想像以上。

 スタッフに案内されて入られると、「ここが隠れ家ですか?」と皆さんがおっしゃる。それらは「独り言」から結ばれたご仏縁。永く関係が続いていることに手を合わせている。

 狭くて汚い部屋だが、ブレーンのプロ達が構築してくれた機材が中々のもの。誰もが「こんな簡単なシステムでこんなことが!」と驚嘆されるが、プロとは共通してシンプルな着想を描くもの。全く無駄がないのが自慢のひとつ。そこで創作できる「かたち」こそにソフトの価値が。

 この数年、取り組んできた研究がある。それは葬儀の世界で使用される音楽。会場空間を儀式空間に「神変」させる作用に始まり、今は「癒し・慰め」から「励まし」まで進んできた。

 レッスンを担当した司会者の皆さん全員が、その不思議な音楽に興味を抱かれるし、狭い「隠れ家」が一変して巨大な葬祭式場空間に変化する情景を体感される。音楽とは不思議なパワーを秘めている。

 今年の春、ブレーンの音楽家に編曲をお願いしたことがあった。現存する10数曲を指定し、それらをレクイエム・バージョンとして収録したが、もちろん著作権協会への申請も行った。

 これらを最も有効に活用するにはどうするべきか? そんなテーマで5ヶ月の実験期間を設けたが、そこに結論に至る答えが見つかった。

 実験の中には、移動する私の車の中で何気なく流し、知人達にどんなイメージを抱くかというテストもあった。

 そんな答えを集約して「やはり!」というプロデュースシナリオのエピローグに辿り着いたのだが、これをベースに選曲の枠を広げようと考えている。

 こんな「変?」なことに時間を費やす葬儀社なんてないだろうが、協会メンバーの一部から大きな反響が生まれた事実。そこに遣り甲斐を感じるこの頃でもある。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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