2007-05-08

モナリザの表情?  NO 1856


 夜のニュース番組を観ていたら、昨号で書いた塾生が担当する悲しい葬儀が映されていた。

  一方のニュースではエキスポランドの事故特集、CGを用いたり、大学や非破壊検査会社などの専門家による実験も映し出されていたが、「金属疲労」なんて問 題は日本中のあちこちに山ほど潜んでいる問題と言えるだろうし、いつ、その被害者になるか不明という極めて現実的な恐ろしいことである。

 臆病な性格の私、過去にジェット・コースターに乗ったのは独身時代に一回と、東京のお寺様達がご招待くださったディズニーランドだけであり、それも恐怖感の少ない初心者向けのものだったが、それでも気分を悪くして<もう、絶対に乗らない>ことにしている。

 娘がアメリカに在住する前、孫と一緒にエキスポランドの行き、そこで娘が「ちょっと見ててね」と孫を我々に預けて乗ったのが今回の乗り物だった筈だが、今回の事故で被害者になられた若い娘さんに手を合わせながら、あの時の光景を思い出してしまった。

  これまでに何度も書いてきたこと、それは加害者となって被害者の家族に謝罪をしなければならない時のエネルギーの強烈さ。そこで猛省や後悔なんて何の役に も立たないことを知っておきたいものだし、それが嫌ならそんな経営者を辞するか徹底的に検査を行い、いつも<これで安全だ!>と自身を納得させる日常行動 をするべきだろう。

 どんなに安全対策に取り組んでも最後の難関は「人」という無限の課題。交通機関のプロの運転手であっても、体調不良 や夫婦喧嘩などの影響から、その日の感情変化でどのようになるかが分からない問題を秘めている。世の中には必然という存在の中で誰もが生活を営み、1日を 終えると「幸運」として次の日を迎えるべきもの。そこに「夕べに合掌」「朝に合掌」という言葉がある。

 さて、フランスの新しい大統領が決まった。ちょっとパフォーマンスが強過ぎるようで好みのタイプではないが、今日の発言やフランス国内のニュース映像を観ていて思い出した映画があった。

 それは、フレデリック・フォーサイス原作の小説を映画化した「ジャッカルの日」という作品だが、1973年に発表され大きな話題を呼び、その後1997年にリチャード・ギアが警視役となったリメイク版も人気を博し、私はテレビでその両方の作品を観たことがあった。

 ストーリーをご存じのお方も多いだろうが、当時のドゴール大統領を暗殺する犯人と、それを阻止する命を受けた警視との攻防だが、原作が素晴らしいところからなかなかのサスペンス大作であった。

 この新大統領、ジャッカルのターゲットにならないのかが心配だし、いくつか紹介されていた発言から、我が日本国の礼節という「美」に対する理解も薄いようだし、この人の辞書の中に「謙虚」という文字はないような感じを抱いた。

 シャンソンの似合う花の都のパリ、そこに暴動や暗殺事件は似合わない。モナリザが悲しい表情を見せることのない政治手腕を期待しよう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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