2007-05-01

美しくない国  NO 1851


 一昨日の日曜日、ある地域の会館でご法要が行われていた。そこに京都から来られていたお寺様に電話が入り、檀家さんのご不幸があって「枕経に」ということになった。

 そのお客さんも偶然に弊社のお客様、シーン西館をご利用くださってお通夜と葬儀という「ご仏縁」に。ちょっと控え室でお話しさせていただいたが、スタッフ達から「やさしいお方です」と耳打ちされた情報通り、お人柄の素晴らしい宗教者であった。

 天気予報が的中し、朝からかなり強い雨が降っていた。会葬に来られる方々の肩から背中が濡れている。接待担当スタッフにタオルを用意させてフォローを頼んだ。

 司会のメインは女性スタッフ、声質にマッチするように音響の調整を。

 気が付けば、もう5月。今年の三分の一が過ぎたということになる。その中で様々な葬儀があったことを思い出す。

お母様のご葬儀、お通夜と葬儀に参列されたのは息子さんお独りだけというのもあったし、三姉妹のお一人のご不幸で「静かに前日を過ごしたい」というご要望にお応えしたこともあった。

 地域役員さんからの緊急電話で善意の葬送が行われたのも印象に残っている。全く身寄りのないお年寄り、病院で息を引き取られてからが大変。「ひょっとしてどこかに身寄りが?」との長老のご意見から警察が調査、やっと他府県におられた遠縁にあたる方が見つかった。

そこは、故人の故郷だったが、日程から葬儀の打ち合わせはそのお方が来阪されてからとなる。その間は弊社の式場にご安置するしかなく、近所の方々が交代でお線香の番をされていた。

  やがて到着されて打ち合わせ。複雑な事情を伺って「納骨は大阪のお寺で」との結論になった。そんなところから必要経費について話し合い、式場使用料と基本 ベースの祭壇提供は弊社のお供えということになり、火葬料やハイヤーなど付随する経費については近所の方達のお香典で充当することに。

それらはすべて「お返しなし」で進められ、お寺さんも同じ地域の方が「お供養です」と、お布施も受け取らずに務めてくださった。

 こんなコミュニケーション何よりだ。遠来の遠縁の方が「大阪の人達の人情に・・・」と感涙されていたが、こんなケースでは出来るだけ私が司会担当を心掛けている。

 少し腰痛の前触れを感じる。そこで銭湯へ行きお気に入りの薬湯に入ってきた。今日は生姜がベースになった成分、ちょっとピリピリするのが心地良かった。

 そんな湯船の中で、昨日に書いたご夫婦のことを耳にした。ご夫婦をよく知られる方が「あまりにも気の毒過ぎる」と仰り、ご主人が重体だそうで心配になった。

 今日のテレビのニュースでも採り上げられていたが、ホームの安全柵から盲導犬まで色々な意見が出ていたが、まずは明日から可能なことを考えるべき。障害のある人達を目にしたらフォローするのが当然のこと。それらは健常者という前に「人」としての基本的な義務だろう。

 ホームの安全柵を設置するには「膨大な費用が」という意見もあったが、何事もお金や期間で考える世の中の風が情けない。そんな会話しか出来ないコメンテーター達が愚かに見えて腹が立つ。「美しい国」づくり、そこに「美しい心」無くして人の世は成り立たないと断言する。

 どうか「ご回復を!」と手を合わす。どうぞ、ご訪問の皆様もご祈念くださいますように。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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