2014-07-23

あの日、あの瞬間(時)  NO 3903


昨日の合同葬のことだが、葬儀とは「命の伝達式」という言葉もあり、子供さんや孫さん達へ命が伝承されると共に、会社の理念も後継者や役員、社員の皆さんに託されるもの。そんな深いつながりを感じることになったが、改めて故人の偉大なご遺徳とお人柄に手を合わせた。

ヘ ラブナ釣りをご趣味とされていた時代もあり、私のお気に入りの銘柄だった「浮子(うき)」の「雪彦」をプレゼントしたことがあったが、これは水面での敏感 な立ちも素晴らしいが、逆光でも見やすい目盛に特徴があり、ヘラブナファンの世界では本数が少なかったので貴重なものだった。

阪神タイガースの大ファンなのは誰もが知るところだったが、お通夜の日も葬儀当日もタイガースが甲子園球場でジャイアンツに勝利していたのでお喜びだったと拝察申し上げる。

昔 から何度か立ち寄ったことのあるお好み焼き店にタイガースでは忘れられない2人の選手の背番号があった。今日の写真がそれだが、過日の甲子園球場で江夏氏 と田淵氏がバッテリーを組んで始球式を行ったそうで、その時の観戦者全員にプレゼントされたものと聞いたが、故人のことを思い浮かべながら撮影することに した。

さて、昨号で触れた病気のことの続きだが、赤十字病院の先生から説明を受けてから地方の講演はお断りすることにした。東京や名古屋などの大都市なら何とかなるかもしれないが、地方の山奥の温泉で発病すれば最悪で、それから2カ月に1回の検査を受けることにしていた。

それでも何処かへ出掛ける時は不安で、身体より精神的に大変と思い始め、春に思い切って手術を受ける覚悟をした。

担当医師にお願いをしたのは頭の先から足の先まで徹底的に検査をして貰うこと。どこも問題なかったら手術を受けるということになり、検査入院を1週間、それを経てから手術ということになった。

説 明を受けた手術時間は7時間以上だったが、全身麻酔なら何をされても分からないのだからお任せということになる。局部麻酔ならどんな手術でも絶対に嫌だ が、全身麻酔ならすぐに結論に至るのも単純な性格からだが、麻酔から醒めなかったらどうするなんてことは一切考えなかった。

執刀医、麻酔医などの説明を受けて承諾書にサインをするのだが、説明の中に最悪の想定も出て来るので恐ろしくなったことも事実。しかし、医院の先生が「大したことない手術」と言われていたことを思い出し、プラス思考で手術当日を迎えた。

朝、看護師さんが来室。患者用の手術着に着替えて階下の手術室の待合室に入ったが、そこにはこの日に手術を受ける人達が深刻そうな表情で座っていた。

俎板の鯉という言葉があるが、そんな心情になっていたので全く恐怖感はなく。最後に名前が呼ばれて手術室に入ったが、扉が開くとそこは映画やドラマで見る世界そのままだった。

「よ ろしくお願いします」とスタッフの皆さんに頭を下げ、自分で手術台に上がったら、「こんな患者さん初めて!」と驚かれたが、すぐに心臓部分に心電図で貼る ようなテープがセットされ、指先に何かキャップのようなものが付けられると、「これから麻酔をスタートしますが、すぐに意識がなくなります。次に気付かれ た時には手術は終わってますからご安心を」と言われたが、それから10秒もしない内に麻酔で眠ってしまっていた。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net