2011-12-24
気を長く NO 2790
血圧が高いと気が短くなると言われているが、それは本当のようで、私自身も高血圧から薬を服用することになった頃、仕事の世界でもかなり短気になっていたと記憶している。
気温が急変すると血圧が上昇するそうだし、冬場になると突然死が増えるが、その要因
となる心臓や脳の問題は、まさに「欠陥」と「血管」ということになるだろう。
「癇癪の『く』の字を捨てて ただ感謝」なんて言葉があったが、NHKテレビドラマ「坂の上の雲」の中で、道後温泉入浴中に「伊東四朗」さん演じるお父さんが「短気は損気」として説教するシーンが印象に残っている。
「忍の一事は衆妙の門」という言葉を心に刻み、気を長くすると寿命も長くなるのではと考えながら、晩年を過ごすことが出来れば幸せなことだが、昔、ある葬儀をお寺で担当した際、掲示板に掲げられていて感銘を受けた言葉を思い出した。
それは、「村枝賢一」さんの作品で、『あなたが生まれたとき、周りの人は笑って、あなたは、泣いていたでしょう。だからあなたが死ぬときは、あなたが笑って、回りの人が泣くような人生をおくりなさい』というもの。
かの有名な「川端康成」さんの名言に「一生の間に、一人にの人間でも幸福にすることが出来れば自分は幸福なのだ」というのがあるし、トーマス・マンの「命 というものは、儚いからこそ尊く厳かに美しいのだ」の言葉も好きだが、葬祭業に従事してきた集大成からすると、「白隠」様の「人間、死ぬときは死ぬのがよ い」という言葉に悟りの境地があるように感じてならない昨今である。
今日、知人の葬儀に参列後、遠方から来社された女性司会者さんと 「お好み焼き」を食べたが、彼女とも不思議な「縁」があった。東京での講演が終了した際の名刺交換で並んでいた一人が彼女で、その後、五日間も待って貰っ て彼女のお母さんの葬儀の司会を担当させていただくという「ご仏縁」に至ったのだが、初めて会った際に「傾蓋旧の如し」という言葉を思い浮かべるような不 思議な出会いだったように記憶している。
(注・・「傾蓋旧の如し」という言葉は「傾蓋故の如し」とも言われ、その意味は、偶然に出会って言葉を交わしただけで旧知のような間柄になることです)
人生とは素晴らしい人との出会いが最高の財産と言われるが、それからするとこれまで本当に恵まれていると手を合わせなければならない。でも、もっと欲深くなって、これからも多くの人達との出会いがあることを望むべきとも考えたい。
今年も、もう残すは1週間だけだが、明日はお寺様での会合に出席をする。酷寒のタイミングになってしまったようだが、暖かい服装で出掛けよう。