2011-11-11

参拝の伊勢路  NO 2749


 前から約束していた九州の友人夫妻と伊勢神宮参拝に行ってきた。近鉄の宇治山田駅から外宮、内宮へ回り、そして昨日は鳥羽に宿泊。今日は台風のような風雨の中、二見の夫婦岩に立ち寄った。

 押し寄せる波と風もあり、傘を真横に差さないとどうにもならない状況の中、何とか張られた綱の見えるところまで行ったが、そこから先は無理で引き返したが、衣服が予想以上に濡れたので大変だった。

 友人の奥さんが朱印帳を持参されており、それぞれの社務所で受けていたが、その朱印帳にはかなりの神社仏閣のものが記録されており、「よい記念になりました」と笑顔を見せられたのが印象的だった。

いつも車だったので目にすることのなかった「宇治山田駅」は昔のまま。その駅舎は今や文化財になっているらしいが、大阪の小学校に在籍していた団塊世代の修学旅行先の大半は伊勢。私もその一人だが、当時そのままの外観に懐かしい思いを抱いた。

  外宮、内宮、その両方で珍しい光景を目にした。黒服に白手袋を着用された団体が整列れて参道を歩まれる姿や、胸に企業名の入った制服の団体がアルミバンの トラックの後方に続いて歩かれるなんて初めて見たもの。偶々社務所のところにいたので<何だろう?>と興味深く見つめていたら、扉をを開けた中から運び出 された物は野菜などのお供えらしく、それらは何かのご祈祷を受ける際の「神饌物」として準備されたものだろうが、ナンバープレートで佐賀県と岐阜県の二台 を確認したのでびっくり。流石に伊勢神宮という世界を感じたひとこまとなった。

 内宮の五十鈴川を渡る橋の手前にある「おはらい道」の商店街だが、初めに目が留まったのは伊勢名物で有名な「赤福」の店。お茶をよばれながら、二人が赤福、二人がぜんざいを注文して甘い3時のおやつ。

  さて、帰路に立ち寄った松阪の「海津」だが、「こんなの初めて!」と驚嘆され、所属される団体の旅行の幹事が当番になったら、必ず今回のコースでやって来 ると言われていたが、友人が廊下に漂う香の香りに気付いたのは彼らしいところ。普通の人では中々気付かないものである。

 松阪から乗った特急の中で面白い出来事があった。指定券を確認しながら席に行くとおばさんが座っておられる。空席がいっぱいあるのにブッキングはない筈と思いながら横に立ったら、「ごめん、ごめん」とおばさんが立ち上がって通路の反対側に移ってくれた。

  どうやら車内で特急券を買い求めるつもりで乗車されたみたいだが、中川駅を発車して電光掲示板に次の停車駅が「伊賀神戸」と流れた時におばさんが絶叫。 「どうして温泉駅に停まらないの」と言い出した。温泉駅とは「榊原温泉駅」のこと。上本町行き特急の大半が停車するが、難波行きの特急の大半が停まらない 駅。「迎えに来ているのにどうしたらいいの」と嘆き、やがて携帯電話でその旨を知らされ、通り掛った車掌さんに事情を説明して、次の停車駅から戻るための 発券をして貰っていた。

 榊原温泉駅を通過する特急。駅から大きな金色の観音さんが見える。「出来た時は観光客が多かったけど、今は誰も来ないのよ」と解説をしてくれ、何度か行ったことのある榊原館や清少納言という旅館の話をしたら、「清少納言は親戚なの」と言われてニコッとされた。

  伊勢神宮は、日本人なら一度はお参りをという言葉を耳にしたことがあるが、そこは、まさに自然の中に存在する信仰文化の空間のような気がする。驚くほどの 樹齢だと誰もが想像出来る大木が並ぶ砂利道を歩む体感は、何度行っても特別な雰囲気を感じる。社務所で「お札」をいただいた彼女が「来てよかった」と言わ れた言葉に、誘った私も嬉しかった。

 鶴橋駅で「またね」と別れたが、「今、着きました」と電話があったのは午後9時過ぎ。博多まで「の ぞみ」に乗り、そこから「つばめ」に乗り換えて新玉名駅まで行き、車で帰宅する行程は大変なこと。我々と別れた時間が午後4時前だったのだから約5時間と なる。お疲れ様の言葉を結びに書いて手を合わす。
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