2012-10-07

紹介ビジネスの現実  NO 3068


 パリにオープン予定のホテルが「中国人客お断り」を打ち出していたが、物議を醸して謝罪して撤回するというニュースがあった。

 欧米諸国のホテルで中国の観光客はマナーに問題が多いという伝聞が広まっているが、さすがに「お断り」を表面化するのには問題があるだろう。

 10年ほど前、湯河原温泉の「S」という旅館での出来事、平屋建てで10室ぐらいしかなく落ち着いた和風を売り物にしていたのに、浴場の湯船に入っていたところ、扉を開けて中学生ぐらいの男の子が覗き、次に妻が入っていた女湯の方も覗いたというのだから驚きの出来事。

「申し訳ございませんでした」と夕食時に来られた女将さんが、「中国のご家族連れで、他のお客様のお部屋も覗かれたようで困っています」と謝罪されたことを思い出す。

イ ンターネットの進化で様々なビジネスが登場している。「お坊さん」「お寺さん」というネーミングで構成されたHPがPRされており、「お通夜や葬儀に宗教 者を派遣します」とあり、料金明朗と表記されてあったが、「お布施」を「料金」と考えるのは抵抗があるのではと考えてしまう。一般社会の派遣社員とは全く 異なる立場の筈で、これもネットの巻き起こした「何でもあり」の問題の一つであろう。

 ホテルや旅館の検索が大変である。公式ページを探 すのに一苦労。トップページに並ぶのは紹介ビジネスを展開する組織ばかり。公式ページを開けると、どこもネットから予約すると割引などの特典を明記してい るが、手数料分を考慮した対応なのだろうが、それだったら加盟契約をしなかったらよかったのにと突っ込みたくなる。

 昔、日本交通公社、 日本旅行、近畿日本ツーリストの他に、電鉄会社などが母体となった旅行会社だけだったが、今やネット「ピンハネ」的な紹介ビジネスが潮流で、中には「夫婦 で1500円」などと、加盟ホテルや旅館を泣かせて協力させる低次元なビジネス展開も出現し、こんなところと提携するホテルや旅館は絶対に利用しないと考 える人達も少なくないようである。

 そんな紹介ビジネスは、我が葬祭業界にも登場し、ネットで派手な宣伝を展開しているが、所謂プロと自 負する業者は一社も加盟せず、悲しみの葬儀でピンハネビジネスを打ち出すとはさすがにスーパー事業だと驚くが、人生最期の大切な儀式をスーパーやコンビニ の紹介ビジネスに託する行動に寂しさを覚えるし、紹介手数料分をお客様に還元して差し上げる方が正道のような気がする。

 そんな葬祭業界の紹介ビジネスだが、数年後には前述のホテルや旅館業界の二の舞を迎えると断言したいし、加盟する葬儀社のHPに「お客様直接の場合は」なんて特典を打ち出すことになると書いておこう。

  昔、ホテルや結婚式場を紹介するビジネスがデパートの中などに存在していたが、バックマージンの多い提携先を紹介するところから契約を打ち切るところが増 え、やがて各ホテルがブライダル・フェアなどを企画し、新郎新婦達が紹介手数料の仕組みに気付くようになり、閉鎖を余儀なくされた歴史もある。

 さて、北海道のホテルでは「法要」に関して積極的に取り組んでいるようだが、宗教者を迎える本葬儀式を受けるケースは稀である。

 弊社は過去に北海道のホテルで大規模な社葬のプロデュースと司会をを担当させていただいたことがあるが、その際にもご多数のお寺様を迎える形式で進められた。 

 今日の写真は、大阪のある大規模ホテルで行われた社葬のひとこまから。儀式が終わってご導師と法中がご退出されて控え室に入られる光景である。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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