2012-05-24

寂しい現実  NO 2935


 午前中、本館で行われている葬儀に参列。ご供花の中に「孫一同」という名札があったので羨ましく感じ、ナレーションを聞いていたら故人に曾孫さん達もおられたことを知った。

 享年87歳のご生涯。お孫さん達も成人されているので当然だろうが、私の場合には中学一年生が一番上。まだお金を出し合って供える年齢に達していないのでもう少し生きなければならない。

 さて、弊社の葬儀式場であるシーン「西館」で担当させていただいたお客様と会った。恐縮するほど感謝されたのでとまどったが、お話の中に知らなかったことが出て来たので嬉しくなった。

 遠方から参列されたご親戚の方だが、銭湯が大好きで近くの「源ヶ橋温泉」のことをご存知だったそう。お通夜を終えてすぐに行かれたそうだが、弊社が用意している銭湯セットの存在にも喜んでくださったそうで結構な話である。

「源ヶ橋温泉」の存在は、銭湯の「通」なら知らない人がいないほど有名で、遠方からわざわざやって来られるほど知られており、私がテレビ番組によく出演していた頃、「この辺でテレビに出るのは源ヶ温泉と高級葬儀」という会話が交わされていたことを知ったことがあった。

 どんな銭湯かはネットで検索されたらご理解されるだろうが、シャチホコや自由の女神の存在よりも、建設当時に厳選された木材や石の素晴らしさは別格の世界。そんな銭湯を小学生時代から利用していたのだから幸せな話である。

  悲嘆に暮れられる心境で熟睡なんて不可能だが、お通夜の後に交代で少しでもお休みいただきたいもの。それには銭湯でご親戚の方々と思い出話をされるのもよ いことだろう。幸いにして弊社の「西館」近くには「源ヶ橋温泉」と「南生野温泉」があり、どちらも直線距離で100メートルぐらいなので恵まれている。

 昭和40年に全国で2万軒以上も存在した銭湯も、いまや5449軒に減ってしまったそう。全国で一番多いのが我が大阪で898軒。第2位が東京で800軒。最も少ないのは山形県で1軒だけということを知った。

 大阪市が銭湯の固定資産税補助を打ち切るという提案を打ち出したが、どうやら継続されるようになったので安堵している。何でもかんでも割愛するのは問題が生じて当たり前。そこに至るまでの背景やプロセスの理解なくして賛同はないだろう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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