最新 最古
2004-07-19

灰色の天使?   NO 856

朝から事前相談の来社があった。最近、こんなケースが増えてきた。

 今日来社の方、タウンページ、新聞広告、チラシなどに掲載される葬儀社のキャッチコピーに欺瞞を抱いておられた。

 家族葬、パック葬儀、セット料金など低価格を売り物にするオンパレードを信用されず、二度と出来ない葬儀だから真剣に考えたいとおっしゃられたのが印象に。

 お帰りになった後、ミス・ホスピタリティが珍しくお怒りモード。

それは、来社されたお客様に対してではなく、憤懣やるかたないのは彼女が担当した病院へのお迎えだった。

 お客様のご依頼から参上した病院での出来事、ナース・ステーションにいた看護師さんの対応が最悪だったそう。

 「さっきまで患者さんだった方なのに、お手伝いもお見送りもしないなんて信じられません」と、冷たく事務的だった態度に怒っている。

 彼女は看護師としての経験があり、それだけに怒りの心情が強かったのだろうが、状況を耳にしただけで抗議したくなるひどい病院で、これまでに聞いていたこの病院の悪評を教えて慰めた。

 業界の実態として、葬儀社と癒着している病院にこのケースが高いが、崇高な心情で白衣の天使になった筈なのに、マンネリの中で白衣が灰色に変化しているのは残念なこと。黒衣にだけはならないようにと願っている。

 今、私は大手制服メーカーのプロジェクトに関わっているが、どんな服装を身に着けても、中身である「人」がモラルのすべてとアドバイスした。

 それは、我々も看護師さんも同じこと。「衣」が導師をつとめるのではなく、住職という「人」が導師をつとめると書いたことがあるが、宗教者も同じこと。

 最近、教育者や警察官などが考えられない事件を多発させているが、ふと、破廉恥事件で辞職した大阪の知事のことを思い出した。

 この事件を報じたコメンテーターが、「知事が破廉恥事件を起こしたのではなく、破廉恥な人が知事に就任していたということ」と発言していたから。

 版画の世界で誰もが知る棟方志功さんが、悟りの境地に目覚めた思いを語られた一説が耳に残っている。

「人は、真っ裸になりなさい。そこから真の信仰も始まるだろう」

 明日は、葬儀の司会を担当しなければならない。猛暑の中での葬送の儀、そこにさわやかな涼風が流れるような葬儀になればと考えている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net