2004-12-26

素晴らしいお寺様   NO 1017


 少し余裕を持って式場に到着、細かいチェックを済ませ会葬者の方々とお話しを。

 今日の「奉儀」は特別バージョン、キャスティングについてご遺族と打ち合わせ。「すべてあなたに任せる」とのお言葉で気合を入れ、後方でお孫様達とリハーサル。

 式次第の中でも特別バージョンがあるが、この決行にはお寺様のご了解が不可欠。ご導師はお通夜でお会いしたが、他のお寺様は何方が来られるか分からない。そこが最も不安だったが、お通夜のご読経やご法話を弔問者が絶賛された素晴らしいお人柄。

 開式前、喪主様とご長男を伴ってお寺様の控え室に。そこで組関係の仁義みたいな挨拶を。そこから式次第の打ち合わせを始めようと名刺を出し「本日の司会を担当」云々と申し上げると、ご導師が先に他のお寺様をご紹介くださって恐縮。

 「その節は有り難うございました。仏青協で講演くださって」と脇導師様、そんなご仏縁を賜り、私の勝手なお願いの全てをお許しいただけることに。下炬の儀式の後、弔電代読を含めて16分間のお時間を頂戴した。 

 喪主様のお手紙、ご家族やご友人のメッセージの代読、続いて制作で苦労を強いられた編集映像を流しながら追憶のひととき。女性スタッフとの掛け合い進行で時間通りに進められた。

 放映したモニターも特別バージョン、枠が一切ない真っ白な画面。60インチのパソコンみたいな画面に後方から投影するシステム。これは、私の友人が開発した特許を有する優れもの。こんな空間では最高の演出機器である。

  「オヤジの謝辞、フォローを頼むね」と言われた娘婿さんだが、<喪主様は大丈夫>と思っていた通りご立派なご挨拶。単細胞の感動派の私、すぐに感激の胸中 を披瀝することになり、惜しまれるが見事に生き抜かれた素晴らしい人生のカーテンコールと遺族の励ましを併せ、また拍手のひとときとなってしまった。

 火葬場に向かう車内「有り難う」と喪主様が。「あの拍手、皆さんの本当の心だと感じて嬉しかった。葬儀って、悲しいばかりじゃないことを知った」とおっしゃってくださった。

 ご霊柩車は約4キロの遠回り、ご夫婦で築き上げられたお店を2軒回られる。

 「お母さん、ここでいっぱい頑張ったね。ご苦労様」と、助手席でご遺影を抱かれるご長男。前を走行されるのはご導師のお車。あたたかいご配慮でご同行くださっていた。

 「お母さん、お寺さんも来てくださっているよ。有り難いね」とお店の前で。年末の慌しい道路事情の中でささやかだが「時間」をプレゼント出来たみたいだった。

 今回の葬儀、私の思い入れが特別だった。高校生の頃からお世話になった思い出の数々、それらを「かたち」にするためスタッフに叱責するように命じたことも。しかし、何とか「かたち」になってホッとした。

 ご出棺前の「命の伝達式」、お孫さん達がそれぞれの思いを言葉で表現され、私も思わず貰い泣き。「立派な大人になるよ」「お爺ちゃんを大切にするからね」とは嬉しいではないか。曾孫さんが2人おられるが、来春頃には増えるそう。

 そして、火葬場。扉が閉められる前、「有り難う」「さようなら」の言葉が耳に残った葬送で、息子さん達がご導師に心から感謝をされた光景が美しかった。

 そうそう?今日の式場「天空館」、不思議とハプニングが発生するところ。<今日は起きなかったぞ>と思った瞬間に発生した。エピローグを迎える前に予想外の器材故障が?
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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