2005-01-25

団塊世代の境遇   NO 1047


 朝からメールを開けると、「大丈夫ですか」「病気は何ですか?」という受信がいっぱい。ご心配くださることに感謝申し上げながら、返信という大変な作業が増えたことになった。

 私の性格はプラス指向型。特に最近は何でも「プラス」として考えるようになったが、すべてに楽観的というのではないので誤解のないよう。何事にも「?」と「イフ」という臆病な部分を大切にしている。

 久し振りに孫からの電話、「救急車に乗ったよ」なんて言っていたが、元気な様子でホッとした。

 団塊世代の友人達が、みんな同じ悩みを抱く時期を迎えてから、孫の誕生という喜びを体験している。

親の介護と葬儀、子供の結婚適齢期、仕事と家庭で重責を担い自身の健康に留意しながら過ごす日々。

 そんな中、最近、伴侶の体調不良という話題が多く、症状を聞いてみたらその大半が「更年期障害」。これまでに私が体験してきたことを話しながらアドバイスをしている。

 身体のあちこちに症状が出てくる病気だが、次々に医院や病院に通い、気が付けば診察券が10枚もあったという事例もあり、本人だけではなく想像以上に周囲も大変な病である。

  専門医によるとホルモンのバランス変化によって生じるものだそうだが、躁鬱というケースに陥る人も多く、欝の状態になると何もかもが嫌になって無気力状 態、ひどくなれば被害妄想まで生じる厄介なもの。ある本に「心の風邪引き」という言葉があって妙に納得したこともあった。

 生活環境が急変したり愛する人を喪ったりした時、それらは一挙に思わぬ心身変化を来たすもの。なるべく早く専門医のお世話になることが重要だ。

 私の妻にそんな症状を感じ出したのも環境変化だった。娘が外国に留学したり、息子が大学入学と同時に独り住まいを始めた頃、実家の母が重病を患い他界した。

  「何だ、これは?」と思いながら、それが大変な病気だと知るまで数年を要したのだから情けなくて恥ずかしい話。「躁」になれば他人を噛み、「欝」になれば 自身を噛み出す恐ろしくて不可解な病。3年前に完治するまでの数年は、今振り返ってみればそれこそ貴重な体験でもあった。

 「辛い思いをしただけ人にやさしくなれる」という美しい言葉があるが、天から授かった「孫」の存在に癒されながらも、当時は大変な辛苦があった。

 こんなことを書いたのは、数日前、深夜に女性から電話があったから。彼女に大きな環境変化が起きていたのは知っていたが、電話が掛かってきたのは久し振り。「声が聞きたかったのです」なんて発言に<普通じゃない!>と心配した。

 すぐに<心の風邪引き?>と推察して対応したが、私は「よろず相談所」みたいな存在になりつつあり、困った時の「お助けマン」と呼ばれているので誤解をされないように。

 「よろず」も「万」だし「マン」につながる。葬儀という「人(マン)の万が一」の仕事に従事、えにしを頂戴する万来のお客様にサービスを提供申し上げ、立派に生き抜かれたお方の人生を万雷の拍手で送りたいと願っている。

 「高慢ちき」「ご不満」「慢心」なんて言葉も忘れずに、ご満足に至る葬儀の遂行に心掛け、葬祭文化の向上意識が業界に蔓延?する日を心待ちにしている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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