2006-02-03

制御の道  NO 1414


 ちょっと書類を届けに歩いて出掛け、会社に戻る商店街の中で何やらいつもと様子が違う。<巻き寿しの大売出しでも?>と思っていたら「自転車軍団スタート」なんて声が聞こえてきた。

 すぐに数本の風防マイクが目に入る。それはテレビ番組の収録だった。しばらく進むと目の前に背の高い人物が。船越英一郎さんだった。

 彼の奥様とは、あるテレビ番組でご一緒したことがあり、私の横に座っておられた光景を思い出しながら、多勢の見物人のいる中を通り抜けて会社に戻る。

 机の上に積み上げられた巻寿司の山、注文したものといただいたもので食べ切れないほどある。お腹を壊さない程度で食べなさいよ言ってから、部屋に運ばれてきたものを1本いただく。

 我々葬儀社の仕事で巻寿司は重宝されている。行儀の悪い話しだが、時間に追われて移動中の車中で食し易く、特に「丸かじり」が便利だから。

 節分、立春と季節暦の風物詩が続く。悲しみの葬儀で「豆まき」なんて余裕はないだろうが、お通夜で故人のお孫さん達に豆のプレゼントも供養になるだろう。

「立 春の光まといし仏かな」という俳句があるが、ご命日と葬儀当日の両方で使えるフレーズともなろう。これについて、「まだ仏になっていない」なんて抵抗感を 抱かれる宗教者もおられるが、ご本尊という考え方もあるし、参列者の皆さんに「思い出を形見に」と広く考えていただければ幸いである。

 今日も多くのご来社があったが、外が暗くなってきた頃にやって来た飛び込みセールスには驚かされた。「風邪気味ですのでコートはそのままで失礼します」が第一声で、マフラーもそのままという横着な人物。商品の説明を聞くまでもなくお引取り願ったのは言うまでもない。

 それぞれの電話をスタッフが対応している。そんな時に別の電話が鳴り、仕方なく受話器を取ると相手はテープの音声、「アンケートにご協力を」と機械的な女性の声。こんなテープに誰が対応するのか不思議でならない内容だった。

 物事には基本的な礼節があるだろう。どうも大切にしたい「恥の文化」が薄らいできたよう。腹立たしい出来事が遭遇することが増えてきた。

 ワン切り電話に迷惑メール、陰湿で荒んだ社会状況を顕著に物語る現実、おまけにネットにウイルスが蔓延しているそうではないか。

 社会が便利になるに連れ一方で恐ろしいことが増える。大阪はひったくり事件の多いところだが、ガソリンスタンドで「入れ逃げ」という事件が多発しているそうだ。

 コンビニ強盗もそうだが、仕事の場で犯罪の被害者になる危険性があるとは恐怖の社会。これも「恥の文化」の衰退バロメーターのような気がする。

最近の犯罪は確信犯が大半のよう。ベテラン刑事が「想像出来ない時代だ」と語っていたが、その背景にはっきりと見える情状酌量の余地なしという実態が悲しいではないか。
大規模な窃盗団が検挙されたニュースがあったが、彼らは「窃盗」を完全な職業としていたみたい。

犯罪の制御は「あの世」の存在教育が最後の切り札というのが私の考えだが、それを説く宗教が稀薄の一途。

聖徳太子制定の十七条憲法の第二条に「篤く三宝を敬え」とあるが、条文の中に悪人教化は「佛・法・僧」の三宝で可能と記されている。仏教のパワーアップを願って手を合わそう。

 今日の結びに「空飛ぶ水冠」さんのコラム「迷いの窓」が連載で更新されていました。司会・進行のページからリンクしておりますのでご訪問を。
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