2012-05-21

考えてみると  NO 2931


 お昼時に行われたお葬式に参列、焼香で自身で持参した香を手向け、お棺の中に一輪の花を入れ、霊柩車を見送ってお別れをしてきた。

 喪主様のご関係に、ある著名な議員さんの後援会の存在があり、遠方から会長を務められる女性の方が参列されたが、随分と昔から交流があり、久し振りの再会となったのでご出棺後にしばらく話すことになった。

 日課になっている「幸せ列車」HPの訪問だが、「かめかむか」さんの執筆されるコラムの内容の素晴らしさに拍手を贈りたくなるし、機に応じて変化するトップページの背景にもいつも驚嘆している。

 因みに現在の背景は明日の「金環日食」のようで、どこからこんな発想をと思うばかりである。

  そんな「幸せ列車」の発信するメールマガジンが、一昨日の金曜日に第16号となっていた。「日記」と題された内容だが、故人が還暦を迎えられてから始めら れた日記の存在があり、その中の1ページを葬儀の中で代読するというもので、ご遺族が選ばれたページをコピーすることで他のページを一切見ないというプラ イベート遵守の行動について書いたものだった。

 過去に多くの葬儀社を訪問した歴史があるが、司会台の上に置かれているメモに個人情報があったことも少なくなく、司会者に秘匿するべき重要性について指導したことも何度かあった。

 喋る技術云々の前に、そんな基本的なことを学ぶべきで、想像以上に無神経な司会者が多いことは葬儀もブライダルも同じのようである。

「やっと誕生したのに」「やっと1歳になったばかりなのに」「もうすぐ幼稚園に入園することになっていたのに」

 そんな乳幼児が亡くなってしまう悲しい葬儀が行われているのも現実であり、事故や病気を恨むのはご遺族ばかりではなく、訃報を知られた関係者の皆さんもそうだし、担当させていただく我々も同じである。

 しかし、こんなケースでのさりげない配慮は重要で、それを欠くような葬儀社だけにはなりたくないと思っている。

「お棺ですが、今から特別サイズで製作いたします」という言葉と、「弊社は子供さん用のお棺も準備してあります」の違いを考えれば歴然だろうが、葬儀と言う仕事の環境の中にはこれに似た問題が山ほどある奥深い世界があることを知って欲しいものである。

 我が業界にも「ビジネス」という言葉が潮流として登場して来ているが、私はこの言葉が大嫌いで、そんな言葉を用いる人達とは一切関係したくない思いを抱いており、それが葬儀と言う仕事にあってのプロの誇りだと信じて止まないのである。

 さて、今日の結びは「夢」について書いておこう。前に服用する薬の副作用で朝方に悪夢を見ると書いたことがあるが、数日前に見た夢が衝撃的な内容なので目覚めてしまったという出来事である。

  それは何か会議が行われている光景で、50階建てや100階建ての高層ビルの将来がテーマになっており、何十年後に取り壊さなければならないのにどうする のかという論議が行われ、そこへ原子力発電の誕生がパンドラの箱を開けたことになるという人物が登場してややこしくなってしまうところで目が覚めた。

 アメリカで古くなった高層ビルに爆薬を仕掛けて瞬時に崩壊させるニュース映像を何度か見たが、そんな技術が進歩するのは確かとしても、物事を逆から考えてみることも重要ではないだろうか。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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