2013-04-12

ホテルのこと  NO 3251


「幸せ列車」のコラムのページに過去に受けた大手術の体験談について書き、その際に別の病院でCT検査を受けた際に医療ミスが発生した際の顛末をシーンのページのブログに書いたが、続けているとややこしくなって来るので大変である。

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ブログ  ヤフーかグーグルで 会長のコラム 久世

 喫茶店で話題になっていたのが数日前のテレビ番組の内容。お客様の要望に「NO」と言わないホテルサービスのことだったが、芸人の関係者達がコンシェルジュに無理難題を投げ掛け、それをどのように対応するかを収録する企画だった。

 もちろんホテル側の上層部の許可を受けてのものだったらしいが、内容からすると一般的な利用客に誤解を与える問題性があり、こんな企画を考えた制作関係者も協力したホテル側にも疑問を抱き、せっかく素晴らしいホテルなのに残念でならなかった。

 何でもお客様の要望に応えることはサービスとしては悪い姿勢ではないが、お願いする側の「品」も大切なような気がする。無理難題なんてことは単なる遊びや実験で企画することではなく、テレビ業界の安っぽくて貧しい企画力に情けない思いを抱いた。

視聴率のためなら何だってという風潮が業界にあるみたいだが、おかしなことに「おかしい」と言わない人達が社会に増え、変な番組が席巻してしまっているように見えるのは私だけだろうか。

  ホテルの一流と超一流の違いには、立地条件という問題が秘められている。駅に直結という利便性のあるホテルは待ち合わせなどに利用され、「超一流」になる 可能性はまず無理となる。パーティー、食事、宿泊、披露宴などの目的だけの客が訪れるホテルなら超一流への可能性があるということになり、わざわざそこに タクシーかシャトルバスででも行かなければならず、そんな不便という条件が生きて来る訳である。

 冒頭のホテルは駅から地下で直結しているが、待ち合わせ客に利用さないような環境設定が考えられ、廊下は細くて曲がりくねり、フロントは小さく、立ち止まることは不可能な雰囲気となっている。

  駅からワンメーターでやって来るタクシーが玄関に到着すると、ドアボーイが対応してくれるが、車内の支払いで1万円札を乗客が出すと、瞬時に運転手さんに 両替をするのもこのホテルの発想。そんな配慮から玄関で渋滞することもなく、運転手の口コミから好評価の声が広まる相乗効果も生じている。

  前にも書いたが、仮にそんなタクシーから幼い子供が降りたとしよう。お母さんが「花ちゃん、危ないからそこにいなさい」と声を掛けた瞬間に、ドアボーイか らホテルの司令室みたいな場所へインカムで情報が流され、「ピンクのスカートの女の子の名前は花ちゃん」と伝わり、チェックインのフロントで「花ちゃん、 いらっしゃいませ」となったり、レストランの入り口で名前が呼ばれるのだから親はびっくりすることになる。

 和食のてんぷらコーナーのカ ウンターでの仕掛けだが、着席してしばらくするとお茶を出してくれ、注文を済ませてしばらくすると女性スタッフがお箸を乗せたお盆を持って来てくれ「どう ぞ」と言うのだが、そこには長いお箸と短いお箸の2膳が並び、客がキョトンとしていると「掌の小さなお方は短い物。大きいお方は長い方が」なんてアドバイ スをしてくれるのだから驚くことになる。

 お箸を使用するのは1膳だけなので、経費的には大きな負担とならないが、こんなやりとりで感心する客のびっくりこそが狙いである。

  種明かしをすることはいっぱいあるが、公開してしまえばホテルからブーイングが出そうなのでこの辺にしておくが、ホテルの語源はラテン語の「ホスピター レ」であり、昔、宗教の聖地「メッカ」に向かう人達が心身を休めた場所であり、それは病院の「ホスピタル」やおもてなしの「ホスピタリティ」につながって いるものである。
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